防災
収容避難場所の定義と法改正による変遷

「収容避難場所」という用語の定義と、2013年の災害対策基本法改正に伴う「指定避難所」および「指定緊急避難場所」への制度的変遷について解説します。
📌 主なポイント
- ✓「収容避難場所」は2013年の災害対策基本法改正により廃止された用語である。
- ✓法改正により、避難場所は「指定緊急避難場所」と「指定避難所」に分離・再定義された。
- ✓日本の避難所環境については、プライバシーや衛生面での改善が長年課題として指摘されている。
「収容避難場所」とは、かつて災害発生時に被災者が短期間の避難生活を送るための施設、あるいは一時的な避難先を指して用いられていた用語です。しかし、2013年(平成25年)6月に施行された災害対策基本法の改正により、避難場所の機能が明確化・細分化されたことに伴い、現在では法的な用語としては使用されていません。
法改正による制度の再編
2013年の災害対策基本法改正(第四十九条の四、および第四十九条の七)により、従来の「収容避難場所」という曖昧な区分は廃止され、以下の二つに統一・分離されました。
この改正は、災害の種類や状況に応じて適切な避難先を選択できるようにすることを目的としています。
避難所運営の課題と現状
日本の避難所運営については、長年その環境の劣悪さが指摘されてきました。特に、体育館などの公共施設を避難所として利用する際、プライバシーの欠如や衛生環境の悪化が課題となっています。これに対し、イタリアなどの諸外国では、シャワーやトイレを備えたコンテナ式避難所の備蓄など、生活環境を重視した体制が整えられています。

また、避難所における性暴力被害などの人権問題も、阪神・淡路大震災以降、継続的に指摘されています。支援の対価として性行為を要求されるといった実態が報告されており、避難所運営における安全管理とプライバシー保護の重要性が強調されています。

避難場所の開設と運営
地域防災計画に基づき、避難場所の開設は自治体が主導することが一般的ですが、大規模災害時には自治体職員自身が被災するケースも想定されます。そのため、地域住民による自主的な運営体制の構築が不可欠です。

一部の自治体では、震度6弱以上の地震を感知すると自動的に扉が解錠される「住民避難所開設ボックス」を設置するなど、迅速な避難所開設に向けた取り組みも進められています。
よくある質問
収容避難場所は現在も使われていますか?
いいえ、2013年の災害対策基本法改正により、現在は法的な用語としては使用されていません。
指定緊急避難場所と指定避難所の違いは何ですか?
指定緊急避難場所は災害から緊急的に身を守るための場所であり、指定避難所は被災者が一定期間滞在して生活するための施設です。
避難所での性暴力被害は報告されていますか?
はい、阪神・淡路大震災以降、避難所における性暴力や支援を盾にした不当な要求などの問題が指摘されています。
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参考文献
- 榛沢和彦「「体育館を避難所にする先進国なんて存在しない」災害大国・日本の被災者ケアが劣悪である根本原因」PRESIDENT Online, 2022年3月10日
- 内閣府 被災者生活支援チーム「避難所生活者・避難所の推移」2011年5月11日
- 防災ニッポン「災害時の避難所に命を守る「TKB」を!3大課題をイタリアに学ぶ」読売新聞, 2022年7月26日
- 週間女性PRIME「メディアが取り上げてこなかった『避難所での性暴力』」2021年3月10日