物理学・単位系

国際単位系(SI)における基本単位の仕組みと歴史

国際単位系(SI)における基本単位の仕組みと歴史
国際単位系(SI)の基本単位(7つの物理量)について、2019年の定義改定や各単位の仕組みを詳しく解説します。

📌 主なポイント

  • SI基本単位は国際単位系(SI)における7つの基本量に対する単位である。
  • 2019年5月20日に施行された改定により、すべての基本単位が物理定数に基づいて定義されるようになった。
  • 7つの基本単位は、秒、メートル、キログラム、アンペア、ケルビン、モル、カンデラである。

SI基本単位(エスアイきほんたんい、フランス語: unités de base du Système international、英語: SI base units)とは、国際単位系(SI)において、基本単位として位置付けられている7つの単位である。これらは国際量体系(ISQ)における7つの基本量に対応している。

概要

SI基本単位は、メートル法を前身として、複数の単位や度量衡を統一し、一つの物理量に対して一つの単位を対応させることを目的に選定された。時間、長さ、質量、電流、熱力学温度、物質量、光度の各物理量に対して、それぞれ秒、メートル、キログラム、アンペア、ケルビン、モル、カンデラの7つが定められている。

すべての物理量は、物理法則を通じて基本量の組み合わせにより表現することができる。2019年に施行された改定により、すべてのSI基本単位は数値が固定された物理定数などの定義値に基づいて定義されるようになった。これにより、基本単位とそれ以外のSI組立単位との間に原理上の区別はなくなっている。

SI基本単位およびその定義の関係を示す図
SI基本単位およびその定義の関係

7つのSI基本単位一覧

2019年の再定義以降、7つのSI基本単位は固定された定義定数をもとに規定されている。

物理量 単位 記号 現在の定義の基礎となる定数等
時間 s セシウム周波数 ΔͷCs
長さ メートル m 真空中の光の速さ c
質量 キログラム kg プランク定数 h
電流 アンペア A 電気素量 e
熱力学温度 ケルビン K ボルツマン定数 k
物質量 モル mol アボガドロ定数 NA
光度 カンデラ cd 視感効果度 Kcd

2019年の再定義

2018年11月16日の第26回国際度量衡総会(CGPM)の決議により、7つのSI基本単位の定義が変更され、2019年5月20日より施行された。特にキログラム、アンペア、ケルビン、モルの定義には大きな修正が加えられ、人工物や物質の特定の状態に依存しない、普遍的な物理定数に基づく定義へと移行した。

日本の計量法における対応

国際度量衡総会の決議に基づき、日本においても計量単位令におけるSI基本単位の定義が改正された。この改正により、各単位の定義は必要最小限の簡潔なものとなっている。

よくある質問

SI基本単位とは何ですか?
国際単位系(SI)において基本量として位置付けられている7つの物理量に対する単位のことであり、すべての物理量の基礎となるものです。
2019年の再定義では何が変更されましたか?
キログラムの基準となっていた国際キログラム原器のような人工物に依存せず、プランク定数や光速などの普遍的な物理定数の値を固定して定義する方式へと変更されました。

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参考文献

国立研究開発法人産業技術総合研究所 計量標準総合センター 訳『国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版』、2020年3月。