鉱物学・地学
珪石の鉱物学的特徴と産業的用途に関する解説
珪石(けいせき)の定義、鉱物・岩石としての種類、セメントやガラス、半導体原料としての産業用途、および日本国内の産地や自給率について解説します。
📌 主なポイント
- ✓珪石はケイ酸質の鉱物や岩石を資源として扱う場合の鉱石名である。
- ✓セメント、ガラス、陶磁器、シリカゲル、ケイ素鋼、半導体原料など幅広い用途を持つ。
- ✓静岡県西豆町にあった伊豆珪石鉱山は、かつて国内の板ガラス原料の90%を生産していた。
- ✓経済産業省の2019年資源統計によれば、国内の生産量は約918万トンであり、高い自給率を維持している。
珪石(けいせき、英: silica stone)は、ケイ酸質の鉱物や岩石を工業資源として扱う際の鉱石名である。鉱物としては石英、岩石としてはチャートや珪質砂岩、珪岩、石英片岩(珪質片岩)などが含まれ、外観は白っぽいものが多い。
鉱物学的構成と種類
珪石という名称は特定の単一鉱物を指すものではなく、主成分として二酸化ケイ素(シリカ)を豊富に含む鉱物および岩石の総称として用いられる。代表的な構成要素には以下のものが挙げられる。
主な産業用途
珪石は多様な工業製品の基礎原料として広く活用されている。主な用途は以下の通りである。
- セメント製造: 大量の石灰石と粘土に少量の珪石と鉄滓を細かく粉砕・混合して焼成し、セメントクリンカーを得る。これを少量の石膏と混ぜて粉砕することでセメントが完成する。
- シリカ・シリカゲル: 水酸化ナトリウムと反応させてケイ酸ナトリウムを生成し、そこに塩酸を加えて溶解・加熱することでシリカゲルなどが製造される。
- ケイ素鋼: 鋼鉄に少量のケイ素を添加することで磁気透過性が改善される。
- ガラス・陶磁器: ガラス製品や陶芸の重要な原料として利用される。
- 半導体原料: 還元された単体の高純度シリコンが半導体の原料として使用される。
産地と国内自給率
かつては日本各地で採掘が行われており、特に火成岩に含まれる高純度な珪石が硫黄島や伽藍岳などで採掘されていた。しかし、輸入鉱石との価格競争により多くの鉱山が閉山している。愛知県瀬戸市や静岡県西伊豆町などが産地として知られており、西豆町では1938年から2008年まで採掘が続けられ、最盛期には国内の板ガラス原料の90%を供給していた。
経済産業省の資源統計(2019年)によると、日本国内の生産量は9,184,591t、消費量は9,262,656tであり、需要の大部分を国内自給により賄っている。
よくある質問
珪石とはどのようなものですか?
珪石は、ケイ酸質の鉱物や岩石を工業資源として総称した鉱石名です。鉱物としては石英、岩石としてはチャートや珪岩、珪質砂岩などが含まれます。
珪石はどのような用途に使われていますか?
セメントの原料、ガラスや陶磁器の製造、シリカゲルの生成、ケイ素鋼の添加剤、さらに高純度シリコンを経た半導体原料などとして広く利用されています。
日本国内の自給率はどのくらいですか?
経済産業省の2019年資源統計によると、国内の生産量と消費量はともに約900万トン台であり、約99%を国内自給で賄っています。
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参考文献
西伊豆町についての出典: 『南から来た火山の贈り物 冒険半島伊豆へようこそ 伊豆半島ジオパーク公式ガイドブック』、静岡新聞社、2013年。 / 経済産業省 『資源統計』 生産動態統計調査 経済産業省生産動態統計 年報 資源・窯業・建材統計編、2019年。 / 総務省 『令和3年度地方税制改正(税負担軽減措置等)要望事項』、2020年。