自然地理学

自然地理学における雪線の概念と高度分布

自然地理学における雪線の概念と高度分布
自然地理学における雪線(せっせん)の定義、有効氷河形成範囲、および世界各地の雪線高度の特徴について解説する百科事典記事です。

📌 主なポイント

  • 雪線とは、氷河の形成を促進する気候条件を満たす範囲の下限を結んだ線である。
  • 年間での降雪量と融解・蒸発量が一致する点を結んだものであり、万年雪の有無から判別できる。
  • 雪線高度は概して赤道付近で高く、極地に向けて低くなるが、中緯度の乾燥帯などでは例外もみられる。

雪線(せっせん、英語: snow line)とは、自然地理学において、氷河の形成を促進する気候条件を満たす範囲の地域である有効氷河形成範囲の下限を結んだ線を指す。年間での降雪量と融解・蒸発量が一致する点を結んだ線であり、万年雪の有無から判別可能である。

マッキンリーの雪線を示す景観写真
マッキンリーの雪線

有効氷河形成範囲

有効氷河形成範囲は、気温や降水量といった気候条件と地形条件によって決定される。この範囲の上限は大気中の水蒸気量によって規定される一方、下限は乾燥地域においては降水量、それ以外の地域では主に気温によって決定される。また、氷河の形成には、雪氷が堆積可能な平坦な地形の存在が求められる。

異なる緯度における雪線高度を示した1848年のスケッチ図
異なる緯度における雪線高度を示したスケッチ。左が南極、中央が赤道、右が北極である。この図はアレクサンダー・キース・ジョンストンにより1848年に描かれた。

雪線高度の地理的傾向

雪線高度は、概して赤道付近で高く、極地に向かって低くなる傾向にある。しかし、中緯度地域には乾燥帯が含まれるため、赤道付近と比較して雪線高度が高くなるなどの例外も存在する。

地域緯度雪線高度
スヴァールバル諸島78°N300–600 m
アイスランド65°N700–1100 m
アルプス山脈中央部47°N2900–3200 m
ヒマラヤ山脈28°N6000 m
キリマンジャロ3°S5500–5600 m
ニュージーランド南島43°S1600–2700 m
南極70°S0–400 m

よくある質問

雪線とは何ですか?
自然地理学において、氷河の形成を促進する気候条件を満たす範囲の下限を結んだ線のことです。
雪線高度はどのように変化しますか?
基本的には赤道付近で高く、極地に向かって低くなりますが、中緯度の乾燥地域などでは例外的に高くなることがあります。

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参考文献

小疇尚著「氷河地形」、貝塚爽平ほか編『写真と図で見る地形学』東京大学出版会、1985年。岩田修二『氷河地形学』東京大学出版会、2011年。