土木工学
スノーシェルター:雪害から交通・施設を守る防護構造物

スノーシェルターの定義、鉄道や道路における設置目的、パーキングシェルターなどの具体的な活用事例について解説します。
📌 主なポイント
- ✓スノーシェルターは、雪害から鉄道や道路などの交通施設を保護するための防護構造物である。
- ✓鉄道分野では、分岐器の凍結防止や除雪作業の軽減を目的として設置される。
- ✓道路分野では、吹雪による視程障害や吹き溜まりを防ぐほか、強風地帯での緊急避難用としてパーキングシェルターが活用されている。
スノーシェルターは、積雪や吹雪による被害から建物、施設、設備を保護するために設置される建造物です。豪雪地帯や、地形の影響で雪の吹き溜まりが発生しやすい場所に設けられ、古くから存在する「雪囲い」の概念を発展させたものといえます。
鉄道におけるスノーシェルター
鉄道分野では、駅や信号場、あるいは駅間の線路を覆う形で設置されます。主な目的は、降雪や凍結による運行障害の防止です。

設置目的は主に以下の3点に分類されます。
- ポイント(分岐器)の保護:可動部への雪の詰まりや凍結による「不転換」を防ぐため、分岐器周辺をヴォールト状の構造物で覆います。
- 線路・列車の保護:積雪地帯において、除雪作業を軽減し安定した運行を確保するために線路全体を覆います。札幌市営地下鉄南北線の一部地上区間などがこの例です。
- 駅舎・ホームの保護:駅構内全体を覆うことで、乗客や駅員を風雪から守ります。


道路におけるスノーシェルター
道路においては、主に吹雪による視程障害や吹き溜まりを防止するために設置されます。山間部や峠道など、気象条件が厳しい区間で採用されています。


パーキングシェルター
北海道北部の地吹雪が激しい地域では、強風や路面凍結により車両が流される危険があるため、緊急避難用として「パーキングシェルター」が設置されています。これは車道の両脇に駐車帯を備え、全体を屋根で覆った施設です。

その他の用途
かつては学校施設間を結ぶ連絡通路として、地吹雪対策のために設置された事例も存在します。例えば、岩見沢市にあった駒澤大学関連施設では、積雪による通行不能を防ぐ目的で連絡通路がシェルター化されていました。
よくある質問
スノーシェルターと覆道の違いは何ですか?
一般的にスノーシェルターは雪害対策を主目的としますが、落石や土砂災害、落ち葉対策など通年で機能する堅牢な構造のものは「覆道(シェッド)」と呼ばれ区別されることがあります。
パーキングシェルターの主な目的は何ですか?
北海道などの地吹雪が激しい地域において、強風や路面凍結により車両が走行不能になったり、道路外へ流されたりする事態を防ぐための緊急避難場所として設置されています。
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参考文献
- 『三十周年記念誌補遺版 平成6年度~10年度』駒澤大学北海道教養部編集・発行、1999年3月