社会資本の概念と日本の整備政策
📌 主なポイント
- ✓社会資本は、経済学におけるインフラストラクチャー(社会共通資本)と、社会学における社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)の2つの主な意味を持つ。
- ✓経済学における社会資本には、道路、鉄道、港湾、上下水道、学校などの公共施設が含まれる。
- ✓日本においては、社会資本整備重点計画法に基づいて社会資本整備重点計画が策定されてきた。
社会資本(しゃかいしほん)とは、主に経済学および社会学の領域で用いられる用語である。文脈によって意味が異なり、社会学における人間関係や信頼関係を指す「社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)」と、経済学における生産活動や国民生活の基盤となる物質的施設(インフラストラクチャー)を指す「社会共通資本」に大別される。日本語の文脈では、道路や港湾などの物理的な社会基盤を指す用語として広く定着している。
経済学における社会資本
経済学において社会資本とは、企業や個人の経済活動を円滑に進めるために不可欠な基盤を指す。国民福祉の向上や国民経済の発展に必要な公共施設であり、一般的にはインフラストラクチャーに相当する。
その対象分野は、道路、鉄道、港湾、空港、上下水道、公営住宅、学校、病院、公園など多岐にわたる。これらは公共の性質を持ち、民間企業による供給が困難な場合や事業として成立しにくい分野が含まれるため、政府や公共機関が建設および管理の重要な担い手となる。
日本における社会資本整備の仕組み
日本国内における社会資本の整備事業に関しては、効率的かつ計画的な推進を図るための法制度や財政上の仕組みが整備されてきた。
社会資本整備重点計画
社会資本整備事業を重点的かつ効果的に推進するため、社会資本整備重点計画法に基づき策定される計画である。各種インフラ施設やその整備事業を対象とし、計画期間中における事業や施策の方向性を明確に示している。
社会資本整備総合交付金
地方公共団体が自主性や創意工夫を活かして総合的な事業を実施できるよう創設された交付金制度である。国土交通省所管のものであり、基幹的な事業やそれと一体的に行われる関連事業、効果を促進するための事業を包括的に支援している。
関連する概念の区別
学術的な文脈において、社会資本という言葉は物理的なインフラストラクチャーのみを指すものではない。アメリカの学者アルバート・ハーシュマンが提唱した「社会的間接資本」の議論を起点とし、日本においては宮本憲一らの研究によって経済学的な位置づけが深められた。一方で、社会学における人間関係のネットワークを指す「ソーシャル・キャピタル」とは厳密に区別して扱われる。
よくある質問
社会資本とは何を指しますか?
社会資本の整備は誰が担いますか?
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参考文献
- 国交省所管 特別会計に関する情報開示 - 国土交通省 (https://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_000162.html) 2018年5月10日閲覧。
- 宮本憲一『社会資本論』(有斐閣、1967年)