社会学
社会階層の構造と社会的不平等の仕組み

社会階層の定義、社会的成層システムの特徴、資源の不平等分配やマルクス主義的な階級論、日本や各国における格差や政策について解説します。
📌 主なポイント
- ✓社会階層は、収入や資産、学歴などの多次元的な社会的資源の不平等分配の構造を指す。
- ✓マルクス主義的な社会階級が生産手段の保有という1次元で測定されるのに対し、社会学では多次元的に測定される。
- ✓日本では1955年以降、社会階層と社会移動全国調査(SSM調査)が10年に一度行われてきた。
社会階層(しゃかいかいそう、英: Social stratification)とは、社会の重層的構造としての社会的成層を構成する個々の層を指す言葉である。
社会階層の定義と社会的資源
社会階層は、一般に連続的なものとして捉えられるが、「サラリーマン層」のようにカテゴリーとして分類されることもある。マルクス主義における社会階級が生産手段の保有という1次元で測定されるのに対し、社会学では収入、資産、学歴など多次元的かつ連続的に測定される。
人々の欲求の対象となりながらも十分には存在しないものを社会的資源と呼ぶ。資源の種類には、大きく分けて物的資源、人的資源、情報的資源、関係的資源の4つが挙げられる。民主主義社会は平等を原則とするが、現実の社会にはこれら資源の不平等な分配構造が存在し、これを社会階層構造と呼ぶ。
社会的成層システムの特徴
社会的成層システムには、主に以下のような特徴が見られる。
- 個々の個人識別を行わず、共通する特徴に基づく社会的分類により序列付けが行われる。
- 人々の人生経験や機会がその社会的分類によって影響を受ける。
- 異なる社会的分類の順位は、歴史的経過や法改正などを通じて長い年月をかけて変化する場合がある。
調査と歴史的背景
日本では、社会学者らにより1955年以降、社会階層と社会移動全国調査(SSM調査)が10年に一度の頻度で実施されてきた。これは、戦後の日本社会における不平等の行方や、社会的地位の継承(再生産)の度合いを実証的に研究するための重要なテーマとなっていたためである。
また、1960年代後半から1970年代にかけては、高度経済成長に伴い「一億総中流論」などが盛んに議論された。しかし、20世紀末から21世紀初頭にかけては各国で格差の拡大が議論されており、現代の社会階層研究は格差社会論や分断論争へとつながっている。
よくある質問
社会階層とは何ですか?
社会の重層的構造としての社会的成層を構成する個々の層を意味し、収入、資産、学歴などの社会的資源の保有状況に基づいて捉えられます。
社会階層と社会階級の違いは何ですか?
社会階級がマルクス主義などにおいて生産手段の保有という1次元で測定されることが多いのに対し、社会階層は収入や学歴など多次元的かつ連続的に測定されます。
SSM調査とは何ですか?
日本で1955年以降、10年に一度行われている社会階層と社会移動に関する全国調査のことです。
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参考文献
- 『日本大百科全書』の「階層」の項目、小学館
- 『新社会学辞典』の「社会階層」の項目、有斐閣、2000年