社会の概念と歴史的展開
📌 主なポイント
- ✓社会は、継続的な意思疎通と相互行為が行われ、秩序化・組織化された一定の人間の集合である。
- ✓「社会」という言葉は、中国の古語に由来し、近代に英語の「society」の訳語として定着した。
- ✓社会化とは、個人が社会の価値や規範を内面化しパーソナリティを形成する過程である。
社会(しゃかい、英語: Society)とは、ある共通項によってくくられ、他から区別される人々の集まり、あるいは仲間意識を持って自らと他とを区別する人々の集まりを指す概念である。
社会の定義と範囲
社会の範囲は非常に幅広い。単一の組織や結社などの部分社会から、国民を包括する全体社会まで様々存在する。社会は広範かつ複雑な現象であるが、継続的な意思疎通と相互行為が行われ、かつそれらがある程度の度合いで秩序化・組織化された、一定の人間の集合があれば、それは社会であると考えることができる。
構成する人口の規模に注目した場合には、国際社会や国民国家を想定する全体社会や、都市や組織などの部分社会に区分される。さらに、意思疎通や相互作用、秩序性や限定性の条件に欠落がある場合は、すべてを満たす社会と区別して準社会と呼ぶことがある。
「社会」という訳語の成立
19世紀半ばまでの日本には「社会」という概念はなく、「世間」や「浮き世」などの概念しかなかった。「社会」は中国の古語に由来し、元々は農耕地の守護神を中心とした会合を意味していた。
近代において英語の「society」の日本語訳として当てられ、1826年(文政9年)に青地林宗が訳した『輿地誌略』の中で、教団・会派の意味で使用されている。その後、明治時代に入り西周や森有禮、福地源一郎らの論説や新聞社説を通じて広く使用されるようになった。
社会化と自我
社会化とは、個人が他人との相互的な関与によって、所属する社会の価値や規範を内面化するようにパーソナリティを形成する過程である。社会化は教育と密接な関係があり、児童の基礎教育だけでなく、大人であっても所属集団において行われる。
人間の社会的な自我や行動については、心理学や社会学の領域で多様な議論が行われており、個人の欲求や、社会化によって内面化した規範、利用可能な資源などが総合的に判断されて社会行為が形成される。
社会の領域
社会は広範かつ多様な領域を持っており、政治や経済といった体系がその中で重要な機能を果たしている。政治は公共的な意思決定や利害の調整を行い、社会に秩序をもたらす機能であり、経済は希少性や効用性を持つ価値を配分する機能として作動している。
よくある質問
社会とはどのような概念ですか?
「社会」という訳語はいつ頃から使われ始めましたか?
社会化とは何を指しますか?
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参考文献
増井金典『日本語源広辞典』(ミネルヴァ書房、2010年)
小松寿雄 編『新明解語源辞典』(三省堂、2011年)
柳父章『翻訳語成立事情』(岩波書店、1982年)
小学館国語辞典編集部 編『日本国語大辞典 第6巻』(小学館、2007年)