電気工学

送電システムの仕組みと技術

送電システムの仕組みと技術
発電所から消費地へ電力を届ける送電の仕組み、高電圧送電の理由、および最新の送電技術について解説します。

📌 主なポイント

  • ✓送電とは発電所から配電用変電所までの電力供給経路を指す。
  • ✓送電ロスを低減するため、変電所にて超高電圧へ昇圧して送電を行う。
  • ✓送電方法には交流送電、直流送電のほか、無線送電や蓄電池による運搬技術が存在する。

送電とは、発電所で生成された電力を消費地まで効率的に届けるためのシステムおよびその運用を指します。電気事業において、発電所から配電用変電所までの区間を「送電」と呼び、それ以降の末端への供給網を「配電」と区別します。

ドイツの送電線
ドイツの送電線

送電の原理と高電圧化

長距離の送電では、電線の電気抵抗によりジュール熱が発生し、電力損失が生じます。この損失を最小限に抑えるため、変電所にて電圧を数万から数十万ボルトの特別高圧に昇圧して送電します。電圧を高くすることで電流を小さくでき、送電ロスを低減させることが可能です。消費地に近い変電所では、段階的に電圧を降圧し、最終的に家庭用などの利用可能な電圧へ変換されます。

多様な送電手法

伝統的な交流送電に加え、技術の進展により以下の手法も研究・実用化されています。

  • 直流送電:長距離送電や異なる周波数間の連系に適しています。
  • 無線送電:マイクロ波やレーザーを用いた宇宙太陽光発電からの送電研究が進められています。
  • 蓄電池運搬:洋上風力発電などで生成された電力を二次電池に蓄え、船舶等で運搬する手法も検討されています。

また、電力供給の効率化を目指すスマートグリッドの導入や、Wi-Fi電波を利用した微小電力の無線充電技術など、送電技術は多様化しています。

よくある質問

なぜ送電には高電圧が使われるのですか?
電線の抵抗による電力損失(ジュール熱)を抑えるためです。電圧を高くすることで電流を小さくし、効率的な送電を可能にしています。
送電と配電の違いは何ですか?
発電所から配電用変電所までが「送電」、変電所から最終的な需要家へ電力を届ける経路が「配電」と呼ばれます。
無線送電は実用化されていますか?
宇宙太陽光発電に向けたマイクロ波送電の研究や、Wi-Fi電波を利用したリモコンの充電技術など、特定の用途で技術開発や実用化が進んでいます。

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発電変電配電スマートグリッド宇宙太陽光発電

参考文献

  • 電気事業連合会「電気が伝わる経路」
  • 前川幸一郎・荒井聰明『送配電』東京電機大学出版局
  • ASCII.jp「Wi-Fi充電できるサムスンのTVリモコン、モバイル機器への応用に期待」
  • 乗りものニュース「世界初『電気を運ぶ船』建造へ」