気象観測
測雲気球と測風気球の概要

雲底高度の測定に用いられる測雲気球と、上空の風向・風速を観測する測風気球の仕組みや特徴について解説します。
📌 主なポイント
- ✓測雲気球は雲底高度を測定するための小型ゴム気球である。
- ✓測風気球(パイロットバルーン)は上空の風向・風速を観測するために使用される。
- ✓現代の気象庁の定時観測では、ゾンデを用いた自動観測が主流である。
気象観測において、気球を用いた手法は古くから利用されています。主に雲底の高度を測定する「測雲気球」と、上空の風向・風速を観測する「測風気球」の二種類が存在します。
測雲気球
測雲気球(そくうんききゅう、英: Ceiling balloon)は、雲底の高さを測定するために使用される小型のゴム気球です。シーリングバルーンとも呼ばれます。

観測時には、所定の上昇速度が得られるように水素を充填します。気球を放球し、雲の中に入って見えなくなるまでの時間を測定することで、上昇速度との積から雲底高度を算出します。気球は目視しやすくするため、赤色などに着色された高品質なゴムが用いられます。
上昇速度(v)は、浮力(L)と気球の重量(W)に基づき、以下の公式を用いて近似的に求められます。

測風気球
測風気球(そくふうききゅう)は、上空の風向・風速を観測する目的で放球される気球です。国際的にはパイロットバルーン(Pilot balloon)、略して「パイバル」や「パイボール」とも呼ばれます。
観測手法としては、放球した気球を測風経緯儀で追跡し、その動きを記録することで風の情報を得ます。主に高度1000m程度までの下層の風観測に適していますが、視界が悪くなると観測が困難になるという制約があります。現在は気象庁の定時観測において、より高精度なレーウィンゾンデやGPSゾンデによる自動観測が主流となっており、測風気球による観測は限定的です。ただし、熱気球のフライト前など、局地的な風の状況を確認する手段として現在も活用されることがあります。
よくある質問
測雲気球と測風気球の違いは何ですか?
測雲気球は主に雲底の高度を測定するために用いられ、測風気球は上空の風向や風速を観測するために用いられます。
測風気球は現在でも使われていますか?
気象庁の公式な高層気象観測ではゾンデによる自動観測が主流ですが、レジャースポーツの熱気球フライト前など、局地的な風の確認が必要な場面で利用されることがあります。
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参考文献
気象庁ウェブサイト、高層気象台資料