太陽放射のエネルギー構造と地球環境への影響

📌 主なポイント
- ✓太陽放射の黒体放射温度は約5800 Kと見積もられている。
- ✓太陽定数は人工衛星の測定により1平方メートルあたり約1366 Wとされている。
- ✓太陽放射のエネルギー組成は可視光線が約47%、赤外線が約46%、紫外線が約7%を占める。
太陽放射(たいようほうしゃ)とは、太陽が宇宙空間に向けて放出する放射エネルギーの総称であり、日射とも呼ばれる。主に電磁波の放出を指し、そのスペクトルから見積もられる太陽の黒体放射温度は約5800 Kである。放出される電磁波の大部分は可視光線、赤外線、紫外線の3つで構成されており、これらは一般に太陽光とも称される。

太陽放射の観測や測定には、主に日射計や日照計が用いられる。
放射のメカニズム
太陽内部でエネルギーが生成され、最終的に宇宙空間へ放出されるまでには複雑な過程が存在する。太陽の中心部では水素の核融合反応が起き、ガンマ線が発生する。しかし、中心部は1500万 Kという高温のため電子や陽子が電離して飛び交っており、ガンマ線の直進を激しく阻害する。

阻害されたガンマ線は近傍のガスに吸収されたのち、波長の長いエックス線などとして再放出される。この吸収と再放出のプロセスが繰り返されることで、次第に電磁波の波長は長くなっていく。紫外線、可視光線、赤外線にまで波長が長くなると、太陽の外側部である光球を通過して外部へ放射されるようになる。
太陽放射の組成とスペクトル
太陽放射の大部分は光(可視光線、赤外線、紫外線)が占めているが、微量ながら他の放射や粒子も含まれている。核融合で発生したガンマ線やエックス線のごく一部も外側部に到達して放射されるほか、太陽フレアなどによって荷電粒子や粒子線も放出される。

地球の大気圏外におけるおおよそのエネルギー組成は以下の通りである。
- 可視光線(0.4µm〜0.7µm): 約47%
- 赤外線(0.7µm〜100µm): 約46%
- 紫外線(〜0.4µm): 約7%
- ガンマ線、エックス線、電波: ごく微量

なお、核融合反応で生成される太陽ニュートリノは、電子や陽子による散乱を受けにくいため大部分がそのまま外部へ飛び出し、地球にも到達している。また、地表に到達する太陽放射は大気成分による吸収や散乱を受けるため、特に紫外線などが減少するなど組成が変化する。
太陽定数
太陽定数とは、地球の大気表面に垂直に入射する単位面積あたりの全波長を含む太陽放射の量である。

人工衛星による観測によれば、太陽定数は1平方メートルあたり約1366 Wである。この値は数年〜数十年の長期的な周期や、約27日周期の太陽黒点活動などによって0.1%程度変動する。太陽から見た地球の立体角などから算出した場合、太陽が放出するエネルギーの総量は約3.37 × 10^26 Wと見積もられている。
地球の気候への影響
日中に地表へ届く太陽放射の量は、太陽高度、時間、季節、緯度によって大きく異なる。さらに、地球の軌道や赤道傾斜角は時間とともに変化しており、数万年から数百万年の周期で地球が受ける太陽放射の量は変動する(ミランコビッチ・サイクル)。地球に届いた太陽放射のうち約65%が熱として吸収され、地球のエネルギー収支や気候変動に多大な影響を与えている。
よくある質問
太陽放射の主な成分は何ですか?
太陽定数とは何ですか?
核融合で発生したガンマ線がそのまま外に放射されないのはなぜですか?
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参考文献
- “Construction of a Composite Total Solar Irradiance (TSI) Time Series from 1978 to present”. 2005年10月5日閲覧。
- Solar Variability: Striking a Balance with Climate Change, NASA, 05.07.2008
- “太陽 って どんな星?”. 2007年4月9日閲覧。