電気工学

ソレノイドの構造と基礎知識

ソレノイドの構造と基礎知識
ソレノイドの定義、構造、磁場の発生原理、および工学分野におけるアクチュエータや電磁弁への応用について解説する百科事典記事です。

📌 主なポイント

  • ソレノイドは3次元の螺旋状(密巻き)に巻かれたコイルである。
  • 物理学においては、制御可能な磁場を発生させる目的や電磁石として利用される。
  • 工学分野では可動鉄芯を持つアクチュエータや電磁弁(ソレノイドバルブ)を指して使われることが多い。

ソレノイド(フランス語の solénoïde、ギリシャ語の solen 「管、導管」と eidos 「形、形状」の合成語)とは、3次元のコイルであり、螺旋状、特に密巻きにした形状(層を重ねることもある)を持つものを指す。

ソレノイド
ソレノイド

2次元の平面上の渦巻状(スパイラル)のものはコイルであるが、一般にソレノイドとは区別される。通常は絶縁電線で構成され、電流を流すことで磁場を発生させる目的や、それを利用した装置全般を指すことが多い。

物理学的特徴と磁場の発生

物理学の領域では、主に制御可能な磁場の発生や電磁石としての利用を目的として扱われる。しばしば金属のコア(鉄芯)の周りに電線を巻き付けて使用され、(実験を行うような)広い空間に一様な磁場を発生させるよう設計されることもある。

ソレノイドにより発生した磁界(断面図)
ソレノイドにより発生した磁界(断面図)

ソレノイドアクチュエータ

工学分野においては、ソレノイドの語でアクチュエータなどの電磁石応用作動機構を指すことが多く、電磁弁(ソレノイドバルブ)の略称としても用いられる。また、ソレノイドアクチュエータを用いてスイッチを駆動する電磁継電器はソレノイドスイッチと呼ばれる。

内部に可動鉄芯を設置し、電流を流すことで電磁力を得る仕組みを持つ。運動できる範囲(ストローク)は比較的狭いものの、鉄芯入りのソレノイドや複巻コイルは小型でありながら強い電磁力を発揮し、高速応答を得られるという特徴がある。そのため、油圧シリンダーや空気圧シリンダーの制御、自動車用燃料噴射装置のインジェクター開弁制御など、様々な制御機器に広く利用されている。

可動鉄芯のオーバーランを防ぐため、多くの場合コイルの一端はストッパーで塞がれており、さらにそのストッパーを固定鉄芯として利用することで磁力を追加し、吸引力を強化することが多い。

なお、可動鉄芯を持たず鉄芯が固定されている一般的な電磁石と、可動部を持つソレノイドアクチュエータは構造上の相違点となっている。

よくある質問

ソレノイドと通常のコイルの違いは何ですか?
ソレノイドは3次元の螺旋状に巻かれた形状のものを指し、平面上の2次元の渦巻状のものはコイルに分類されますがソレノイドとは区別されます。
ソレノイドアクチュエータと一般的な電磁石の違いは何ですか?
ソレノイドアクチュエータは内部に可動鉄芯を持ち動的な作動を行いますが、一般的な電磁石の鉄芯は固定されており可動部がない点が異なります。
ソレノイドはどのような用途に使われていますか?
一様な磁場の発生のほか、油圧・空気圧シリンダーの制御、自動車の燃料噴射装置(インジェクター)の開弁制御などのアクチュエータや電磁弁として利用されています。

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参考文献