生理学

体性感覚の生理学と脳内処理機構

体性感覚の生理学と脳内処理機構
体性感覚の定義、皮膚感覚や深部感覚への分類、視床や頭頂葉中心後回における脳内での処理メカニズムについて解説する生理学・医学の解説記事。

📌 主なポイント

  • 体性感覚は大きく皮膚感覚と深部感覚に分類される。
  • 視覚や聴覚とは異なり、感覚器が特定の独立した器官として外から明確に見えない特徴を持つ。
  • 大脳皮質の中心後回が体性感覚の主要な処理領域であり、身体部位ごとの表現はホムンクルスと呼ばれる。

体性感覚(たいせいかんかく、英語: Somatosensory system)は、生理学や医学の用語であり、主に皮膚感覚と深部感覚に大別される感覚系です。

視覚や聴覚といった特殊感覚とは異なり、明確に外側から視認できる独立した感覚器を持たず、皮膚、筋肉、腱、関節、さらには内臓の壁などに含まれる受容器を介して受容されます。

ペンフィールドの地図。体の各部位からの入力が感覚皮質のどの部分に投射されているかを示す模式図。
ペンフィールドの地図。体の各部位からの入力が、感覚皮質のどの部分に投射されているかを示したもの。描かれている顔や体の絵は、各部位からの入力が、どれぐらいの領域に投射されているのか、その面積比を表している。

感覚の分類

体性感覚は、その受容する部位や性質によって大きく二つに分けられます。

  • 皮膚感覚:触覚、圧覚、痛覚、温度覚(温覚・冷覚)、痒覚(かゆみ)など。
  • 深部感覚:関節覚、運動覚、位置覚、振動覚、深部痛覚など。

中枢神経系における処理

体性感覚の情報は視床で処理された後、対側の大脳半球へと送られます。また、深部感覚の情報は小脳においても処理されます。大脳皮質において体性感覚を主に司る領域は、頭頂葉の中心後回に位置しています。

脳の皮質におけるこの領域は、身体の各部位から入力される情報量やその重要性に応じて割り当てられた面積が異なっており、例えば手の感覚には広い面積が割かれている一方、背中の面積は相対的に小さくなっています。このような身体部位の表現は「感覚ホムンクルス(ペンフィールドの地図)」と呼ばれています。

よくある質問

体性感覚にはどのような種類がありますか?
体性感覚は大きく皮膚感覚(触覚、圧覚、痛覚、温度覚、痒覚など)と、深部感覚(関節覚、運動覚、位置覚、振動覚、深部痛覚など)に分けられます。
体性感覚の情報は脳のどの部分で処理されますか?
受容された情報は視床を介して対側の大脳半球(主に頭頂葉の中心後回)に送られ処理されます。また、深部感覚は小脳でも処理されます。
感覚ホムンクルスとは何ですか?
大脳皮質の感覚野において、身体の各部位からの入力の量や重要性に応じて割り当てられた脳の領域の大きさを、身体の形に模して視覚的に表現したものです。

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参考文献

田中靖彦. 特集「感覚器(五感の科学)」. 医療. 2004, 58(9), p.491-492.