そり(雪車・橇)の構造と歴史・用途の解説

📌 主なポイント
- ✓そりは底面を滑走させることにより物体の移動を補助する代表的な雪上の運搬具である。
- ✓歴史的には極地方の探検や石材・木材の運搬、さらには工事現場などで活用されてきた。
- ✓ボブスレーやリュージュなど冬季オリンピックの正式種目としてもそりを用いた競技が採用されている。
そり(雪車、橇、雪舟、轌、艝)は、底面を滑走させることにより物体の移動を補助する道具である。

特徴
そりは代表的な雪上の運搬具である。雪上の運搬具・交通機械には、雪上で荷重を広い面積に分散させて沈下を防ぎ、けん引力と運動速度が得られるような構造である必要がある。ただし、そりは自力では動くことや方向を転換することができない。動力ごとに、人引そり、犬ぞり、馬そりなど各種の形態がある。[1]
そりは地域ごとに雪質・雪状や運搬の対象物など各地の事情に合わせて発達したため形状や発達の経過などは多種多様である。
- トボガンぞり(カナダ)
- アキオ(北欧) - 汎用そり、人・犬・トナカイ・スノーモービルが牽引する。
- 箱ぞり

そりは雪面や氷上など摩擦の少ない場所で使われることが多いが、砂上や芝生(人工芝など)のように滑走させることが可能な場所であれば用いることができる。古くは石材や木材の運搬具としても用いられた。
- 日本では城郭の建築では石材を運ぶ際に、そりが用いられた。[2]
- 日本の山村ではトラックなどの機械力が普及するまでは、あえて積雪を待ってから木材を里に運び出す橇出(そりだし)が行われていた。
雪上での利用
探検とそり
19世紀から20世紀の初頭にかけては、主にイギリスの探検隊によって極地方の探索に用いられていていた。犬ぞりも多くの探検隊が使い、スノーモービルに取って代わられるまで、極地方の主要な交通手段であった。

そり遊び・そり競技
木製やプラスチック製、段ボールなど紙製の一人乗りのそりは、玩具として使われており、丘を滑り降りるために使われる。

なお、運動会の種目の中には、2人1組になり、一人がそりに乗り込み、もう一人がそのそりを引っ張るという競技内容の種目が設けられる場合がある。ボブスレー、リュージュ、スケルトンは冬季オリンピック正式種目であり、パラアイスホッケーは冬季パラリンピック正式種目である。ばんえい競馬における馬ぞり、犬ぞりなども競技としても楽しまれている。

工事・稲作・航空機における利用
工事現場での利用
そりは工事現場などで石や樹木などを運ぶときにも用いられる。摩擦を小さくするため、そり道と呼ばれる半割の丸太や竹を複数並べたところを滑走させる。
稲作での利用
沼田(ぬた、ぬまた)とよばれる沼地の田圃では、水面に浮かべた小さな舟状の形態のものを「たそり」と呼び、田植え時などの農作業に用いられたといわれる。
航空機の降着装置
そりは、航空機の降着装置としても用いられる。飛行機では胴体尾部下面にある尾橇(びぞり)があり、ヘリコプターでは金属の棒やパイプで構成されるスキッドが利用されてきた。

てぞり
岐阜県飛騨地方西部、美濃地方北部、福井県北部、石川県などに分布する道具に、滑走板に荷台と操作用の手を付けたてぞり(手橇)がある。
よくある質問
そりとはどのような道具ですか?
そりは雪上以外でも使用できますか?
航空機における「そり」とは何ですか?
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参考文献
- 細谷昌之『日本の雪上車の歩み』国立極地研究所〈極地選書1〉、2001年。
- “人力による運搬組立て工法の手引”. 日本造園組合連合会. 2019年10月16日閲覧。