物理学・音響学

音響科学と聴覚のメカニズム

音響科学と聴覚のメカニズム
物理学における音波の性質、人間の聴覚メカニズム、音の3属性や分類について詳しく解説する専門事典記事です。

📌 主なポイント

  • 音は、物体が動きぶつかって発生する空気の震え(疎密波)が耳に届く現象である。
  • 人間が知覚できる可聴周波数の範囲は通常20 Hzから20,000 Hzである。
  • 大気中における音速はおよそ344 m/sである。

(おと、英: sound)とは、物体が運動、摩擦、あるいは衝突することによって生じる空気の震え(疎密波)が耳に到達し、知覚されるものである。物理学においては力学的エネルギーの変動である音波を指し、心理学においては聴覚によって得られる感覚内容を指す。

音の知覚的属性と分類

人間の聴覚によって知覚される音には、音の大きさ(ラウドネス)、音の高さ(ピッチ)、音色の3つがあり、これらは一般に「音の3属性」と呼ばれる。

また、音響学や音楽の分野では、音はその性質に応じて以下のように分類される。

  • 楽音:一定の周期で規則正しく続く、音の高さが明瞭に認識できる音。
  • 雑音(ノイズ):振幅や周波数が不規則に変動する音。
  • 騒音:主観的に望ましくない、聞き手が不快や邪魔だと感じる音。

物理学における音波

物理学的な観点において、音とは媒質を通して縦波として伝わる力学的エネルギーの変動である。音波を伝える媒質は流体中では縦波のみを伝えるが、固体中では縦波や横波などとして伝播する。

音速

音波が伝わる速さは媒質の種類や状態によって異なる。大気中における音速はおよそ344 m/sであり、水中では約1500 m/s、鋼鉄中では約5000 m/sである。気体中の音速は温度に依存する特性を持つ。

音圧と音圧レベル

音圧は、音波によって引き起こされる周囲からの圧力の変動であり、国際単位系ではパスカル(Pa)で表される。人間が感知できる音の強さは非常に広範であるため、常用対数を用いたデシベル(dB)値で表されることが多い。

聴覚の範囲とメカニズム

人間が知覚できる音の周波数(可聴周波数)の範囲は通常20 Hzから20,000 Hzまでとされるが、加齢や聴覚の環境によって個人差が生じる。人間の耳は1,000 Hzから3,500 Hzの帯域で最も感度が高くなる。

よくある質問

音とは何ですか?
物理学的には物体を通る力学的エネルギーの変動(音波)であり、心理学的にはそれが耳に届いて生じる聴覚的感覚の内容を指します。
人間の耳が聞き取れる周波数の範囲はどれくらいですか?
一般的に20 Hzから20,000 Hzまでとされていますが、年齢や性別、個人の聴力によって変動します。
音の3属性とは何ですか?
音の大きさ(ラウドネス)、音の高さ(ピッチ)、音色の3つの知覚的属性を指します。

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参考文献

大西雅雄 (1958)『音響と音声と音韻』
『広辞苑』(第四版)岩波書店、1991年。
吉川茂・藤田肇『基礎音響学』講談社サイエンティフィク、2002年。