自然地理学

ステップ (植生):ユーラシア中央アジアなどの乾燥・半乾燥草原

ステップ (植生):ユーラシア中央アジアなどの乾燥・半乾燥草原
ステップ(植生)の気候特性、分布地域、生物相について解説する百科事典記事です。ユーラシアのグレートステップやチェルノーゼム帯の特徴を網羅。

📌 主なポイント

  • ステップはロシア語で「平らな乾燥した土地」を意味する言葉である。
  • 年間平均降水量が250〜500mm程度の、森林と砂漠の中間に位置する乾燥草原である。
  • ウクライナから中央アジアにかけて広がるユーラシア・ステップ(グレートステップ)が世界最大規模である。

ステップ(ロシア語: степь, stepʹ、ウクライナ語: степ, step、英語: steppe)は、中央アジアのチェルノーゼム帯など世界各地に分布する樹木のない平原・乾燥草原を指す言葉です。ロシア語で「平らな乾燥した土地」を意味しており、自然地理学において植生や気候によって定義されます。

植生と特徴

自然地理学では、樹木のない平原で河川や湖沼から離れた地域をステップと呼びます。広義には夏に地上部が枯れてしまう温帯草原を指すこともあります。

草丈の高い草におおわれる北米のプレーリーなどと比較して、ステップでは樹木を欠き、通常は丈の短いイネ科やキク科などの草本がみられます。半ば砂漠である場合もあれば、草や低木におおわれている場合もあり、季節によってその様相が移り変わることもあります。

早春のカザフスタン西部のステップ風景
ステップ:早春の西部 カザフスタン

気候特性

ステップという用語は、森林を形成するほど湿潤ではないものの、砂漠というほど極端には乾燥していない地域を表現するためにも用いられます。気候上の特徴として夏の強い暑気と冬の厳しい寒冷があり、年間平均降水量は一般的に250〜500mmの範囲に収まります。

生物相

ステップに生育する植物の丈は通常30cm強程度です。春の降雨期を迎えると花が咲き、実をつけますが、夏を迎えると乾燥のために地上部は枯れてしまいます。代表的な植物としては、ブルーグラマ、ヤギュウシバ、ヨモギ属の1種、スペアグラス、サボテン、小型のヒマワリなどが挙げられます。

また、動物相ではコサックギツネ、スナネズミ、サイガ、セーカーハヤブサ、オオノロなどが生息しています。

主な分布地域

ステップは大陸性気候のコールドステップや地中海性気候の亜熱帯ステップとして世界各地に広がっています。

グレートステップ

ウクライナからロシア中央部、ウラル山脈、カスピ海を経てカザフスタン、モンゴルなどへ広がる世界最大のステップ地帯です。ウクライナからロシアにかけての地域には肥沃な黒土であるチェルノーゼム帯が広がっています。

その他の地域

北米大陸のプレーリー、南米アルゼンチンのパンパのほか、トルコのアナトリア中部や南東ヨーロッパのパンノニア平原などにもコールドステップが存在します。また、地中海性気候の亜熱帯ステップは、イタリアのシチリア島やスペイン中部、北米の内陸部などにみられます。

よくある質問

ステップとはどのような場所を指しますか?
樹木を欠き、河川や湖沼から離れた平らな乾燥・半乾燥草原を指します。おもに丈の短いイネ科やキク科の植物が生育しています。
ステップの気候的な特徴は何ですか?
森林を形成するほど湿潤ではなく、砂漠ほど極端に乾燥していない地域です。夏の暑さと冬の寒さが特徴で、年間降水量は250〜500mm程度です。
世界最大のステップはどこですか?
ウクライナからロシア中央部、カザフスタンなどを経てアジア内陸部へ広がる「グレートステップ(ユーラシア・ステップ)」が世界最大です。

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ステップ気候プレーリーチェルノーゼムパンパ乾燥帯

参考文献

  • 地層科学研究所. “世界の宝物 肥沃な黒土(前編)”. 2024年11月21日閲覧。
  • Weblio辞書. “「ステップ気候」の意味や使い方 わかりやすく解説”. 2024年11月21日閲覧。
  • 小幡和男. “自然観察大学 第39回室内レポート”. p. 1. 2024年11月24日閲覧。