層積雲(気象学における定義・特徴・分類)

📌 主なポイント
- ✓層積雲は地表付近から高度約2kmまでの範囲に現れる下層雲である。
- ✓ラテン語の学術名はstratocumulusであり、略号はScである。
- ✓一つ一つの雲の塊の視角度が約5度以上あるものが層積雲とされている。
層積雲(そうせきうん)は、十種雲形の一つに数えられる雲の分類である。白色または灰色を呈し、大きな塊が群れをなして、ロール状、斑状、層状など多様な形状を形成する特徴を持つ。季節を問わず頻繁に見られ、曇天をもたらすことが多いが、降水は多くなく、降ったとしても通常は激しくない。

名称と基本分類
気象学における基本雲形の一つであり、日本を含む中緯度地域においては地表付近から高度約2キロメートル程度までに形成される下層雲に分類される。ラテン語の学術名は、層雲を意味する「stratus」と、積雲を意味する「cumulus」を組み合わせた「stratocumulus(ストラトキュムラス)」であり、略号は「Sc」が使用される。

形状と出現環境
空の低い位置に現れ、大きな塊が次々と移動していくのが観察される。雲の隙間から青空が覗くこともあるが、全体としては曇りの天気になることが多い。高積雲と外観が似ているものの、一つ一つの雲の塊の天空上での見かけの大きさ(視角度)が約5度以上あるものが層積雲と定義される。また、高積雲とは異なり、毛羽立ったような形状が現れないのも特徴の一つである。

層積雲の形状は非常に多様であり、多数の塊が群れをなすもの、細長く伸びて並ぶもの、平らなものや丸まったものなどが見られる。互いに結合して斑やモザイク状の模様を呈したり、畑の畝のように凸凹に波打ったり、長いロール状が並んだりすることもある。主に、水平に広がる層雲の中で発生した対流によって上方に成長して変化する場合や、対流によって生じた積雲・積乱雲が水平に広がって変化する場合などに形成される。また、高積雲や乱層雲から生じることもある。

山地や丘陵地においては、湿った気流が地形の影響で上昇または振動することにより、層積雲が発生して比較的小さな大集団を形成することがある。層積雲が次第に崩れたり形が変化し始めたりする場合は、風が強くなっている兆候であることが考えられる。また、高度が低く温度が比較的高いため太陽光を受けやすいことから、日中、特に夏の水辺では雲の上部から蒸発が始まり、ばらばらに分解していく現象もしばしば見られる。

地上を照らす太陽光を遮ることが多く、雲の隙間から光が漏れるいわゆる「天使の梯子」が観察されることも多い。層積雲が厚みを増していく場合は天気が下り坂に向かい、逆に高度が高くなっていく場合は天気が回復に向かう傾向がある。

雲種・変種および副変種
世界気象機関(WMO)が発行する『国際雲図帳』(2017年版)によると、層積雲には以下の分類が存在する。
- 雲種:層状雲、レンズ雲、塔状雲、房状雲、volutus
- 雲変種:半透明雲、隙間雲、不透明雲、二重雲、波状雲、放射状雲、蜂の巣状雲
- 雲副変種:乳房雲、尾流雲、降水雲、fluctus、asperitas、cavum
よくある質問
層積雲とはどのような雲ですか?
層積雲の高さはどのくらいですか?
層積雲から雨は降りますか?
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参考文献
- 田中達也 『雲・空』 山と溪谷社、2001年。
- 気象庁 『気象観測の手引き』、1998年。
- WMO 『International Cloud Atlas』、2017年。