気象学

地球大気の層構造:成層圏の特性と発見

地球大気の層構造:成層圏の特性と発見
地球の大気層の一つである成層圏の物理的特性、温度構造、および20世紀初頭の発見の歴史について解説します。

📌 主なポイント

  • 成層圏は対流圏と中間圏の間に位置し、高度約10kmから50kmの範囲に広がる。
  • オゾン層による紫外線の吸収が、高度とともに気温が上昇する主因である。
  • 1902年、テスラン・ド・ボールとリヒャルト・アスマンらによる気球観測によって、対流圏とは異なる層の存在が確認された。

成層圏(せいそうけん、英: stratosphere)は、地球の大気を構成する層の一つであり、対流圏の上部から中間圏の下部にかけて位置しています。高度は極地で約8km、赤道付近で約17kmから始まり、上端である成層圏界面は約50kmの高度に達します。

物理的特性と温度構造

成層圏の最大の特徴は、高度が上がるにつれて気温が上昇する「逆転層」構造です。対流圏では高度とともに気温が低下しますが、成層圏ではオゾン層が太陽からの紫外線を吸収することで大気が加熱されます。このため、下部では約-56℃前後である気温が、上部の成層圏界面付近では-15℃から0℃程度まで上昇します。

成層圏内には、ブリューワー・ドブソン循環と呼ばれる大規模な大気循環が存在し、季節に応じて極域と低緯度間で風系が変化します。冬季には極渦が形成され、偏西風が卓越する一方、夏季には偏東風が吹くなど、季節風(モンスーン)のような挙動を示すことが知られています。

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よくある質問

成層圏ではなぜ高度とともに温度が上がるのですか?
成層圏内に存在するオゾン層が、太陽からの紫外線を吸収して熱を放出するため、上層ほど温度が高くなる構造になっています。
成層圏は完全に安定した層なのですか?
かつては「成層」という名前の通り安定した層と考えられていましたが、実際にはブリューワー・ドブソン循環などの大気循環が存在し、擾乱も発生します。
成層圏はどのように発見されましたか?
1902年、フランスのテスラン・ド・ボールとドイツのリヒャルト・アスマンが、それぞれ独立した気球観測により、高度10km以上で気温の低下が止まる層が存在することを突き止めました。

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オゾン層対流圏中間圏気象学極渦

参考文献

  • 理科年表オフィシャルサイト「超高層大気」
  • 王立協会 (2020年3月) "What do changes in the vertical structure of atmospheric temperature..."
  • Ohring, George (1964) "a most surprising discovery", Bulletin of the American Meteorological Society
  • Hoinka, Klaus (1997) "The tropopause: discovery, definition and demarcation", Meteorologische Zeitschrift