気候学
亜熱帯の気候と定義

亜熱帯の気候学的定義や地理的範囲、およびその特徴について解説します。熱帯と温帯の間に位置するこの地域は、多様な気候区分によって定義されています。
📌 主なポイント
- ✓亜熱帯には世界的に統一された単一の定義が存在しない。
- ✓アメリカ気象学会は亜熱帯の極方向の限界を南北緯度35度付近としている。
- ✓最寒月の平均気温が18度を超える地域は、亜熱帯ではなく熱帯に分類される。
亜熱帯(あねったい、英: subtropics)とは、一般的に熱帯に次いで気温が高い地域を指す気候学上の概念です。熱帯のような高温の夏と、比較的穏やかな冬という特徴を持ちますが、その定義は気候学者の見解や使用される気候区分によって大きく異なります。

定義と気候区分
亜熱帯には世界的に統一された厳密な定義が存在しません。日本語においては、北回帰線および南回帰線(緯度約23.5度)付近から緯度30度前後の地域を漠然と指すことが一般的です。アメリカ気象学会(AMS)の定義では、極方向の限界を南北緯度35度付近としています。
主要な気候区分における扱いは以下の通りです。
- ケッペンの気候区分:亜熱帯という独立した区分はありませんが、温帯(C)のうち、最暖月平均気温が22度以上である温暖湿潤気候(Cfa)、温帯夏雨気候(Cwa)、地中海性気候(Csa)を亜熱帯の範疇とみなすことがあります。
- アリソフの気候区分:夏は熱帯気団、冬は寒帯気団の支配を受ける地域を亜熱帯と定義しています。
- トレワーサの気候区分:月平均気温が10度以上の月が8か月以上あり、かつ熱帯や乾燥帯に属さない地域を亜熱帯としています。

地理的分布と特徴
亜熱帯は大陸の東岸と西岸で気候特性が大きく異なります。大陸東岸ではモンスーンの影響を強く受け、湿潤な気候となることが多い一方、大陸西岸では地中海性気候や乾燥帯に属する地域が広がります。

代表的な都市としては、那覇市(日本)、台北市(台湾)、香港、広州市(中国)、ハノイ(ベトナム)、ブリスベン(オーストラリア)、ニューオーリンズ(アメリカ合衆国)などが挙げられます。ただし、フロリダ州南部やケアンズのように、最寒月の平均気温が18度を超える地域は、気候学上「熱帯」に分類されるのが一般的です。

よくある質問
亜熱帯と熱帯の違いは何ですか?
熱帯は年間を通じて気温が高く、季節変化が小さい地域を指します。一方、亜熱帯は熱帯に次いで気温が高いものの、冬には比較的穏やかな季節変化が見られる地域を指します。
亜熱帯の緯度はどのあたりですか?
一般的には南北回帰線(緯度23.5度)付近から緯度30度から35度前後の地域を指すことが多いですが、気候区分によって定義は異なります。
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熱帯温帯ケッペンの気候区分モンスーン
参考文献
- 仁科淳司『やさしい気候学 増補版』古今書院、2007年。
- 矢澤大二『気候地域論考―その思潮と展開―』古今書院、1989年。
- American Meteorological Society, "Subtropics", Glossary of Meteorology, 2012.
- コトバンク「亜熱帯」各百科事典項目。