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水源地域対策特別措置法:ダム建設に伴う地域支援の仕組み

水源地域対策特別措置法:ダム建設に伴う地域支援の仕組み
ダム建設による水没や移転を余儀なくされる地域住民の生活再建と、水源地域の活性化を支援する「水源地域対策特別措置法(水特法)」の概要と目的を解説します。

📌 主なポイント

  • 1973年に制定された、ダム建設に伴う水源地域の生活再建と活性化を目的とする法律である。
  • 蜂の巣城紛争が制定の大きな契機となった。
  • 水没戸数20戸以上または農地面積20ヘクタール以上のダムが指定対象となる。
  • 国庫補助に加え、下流受益者による費用負担や基金制度による支援が行われる。

水源地域対策特別措置法(昭和48年法律第118号)は、ダム建設に伴う水没や移転によって不利益を被る地域住民の生活再建を支援し、水源地域の生活安定と福祉向上、および地域の活性化を図ることを目的とした日本の法律です。通称は水特法(みずとくほう)と呼ばれます。

制定の背景

本法は1973年(昭和48年)に制定されました。この法律の制定には、筑後川水系の松原ダム・下筌ダム建設を巡って発生した「蜂の巣城紛争」が大きな契機となったとされています。長期間にわたる激しい反対運動を経て、ダム事業における地域住民への配慮と支援のあり方が社会的な課題となり、法整備が進められました。

主な制度と対象

本法は、一定規模以上のダム建設事業を対象としています。具体的には、水没戸数が20戸以上、または水没農地面積が20ヘクタール以上のダムが指定対象となります。

支援の内容

指定されたダム事業においては、以下の施設整備等に対して国庫補助が行われます。また、下流の受益者(自治体、水道事業者、電力会社など)も費用の一部を負担する仕組みとなっています。

  • 道路および下水道の整備
  • 公共施設および福祉施設の建設
  • レクリエーション施設の整備

さらに、水没戸数が150戸以上、または水没農地面積が150ヘクタール以上の大規模なダムについては、第9条に基づき国庫補助率の嵩上げが行われる「法9条等指定ダム」として、より手厚い支援が適用されます。

水源地域対策基金制度

1976年(昭和51年)からは、地方自治体間の連携を促進する「水源地域対策基金制度」が導入されました。この制度は、水源地域と下流受益地の自治体が共同で基金を積み立て、以下の事業に活用するものです。

  • 水没者の代替地取得に伴う利子補給
  • 生活相談員の設置
  • 生活道路の整備
  • 上下流地域交流事業

所管

本法は、国土交通省水管理・国土保全局水源地域対策室が所管しています。

よくある質問

水源地域対策特別措置法(水特法)の主な目的は何ですか?
ダム建設によって移転を余儀なくされる住民の生活再建を支援し、水源地域の福祉向上や産業基盤整備を通じて地域の活性化を図ることを目的としています。
どのようなダムが対象になりますか?
原則として、水没戸数が20戸以上、または水没農地面積が20ヘクタール以上のダムが対象となります。
「法9条等指定ダム」とは何ですか?
水没戸数が150戸以上、または水没農地面積が150ヘクタール以上の大規模なダムを指し、国庫補助率の嵩上げなど、より重点的な措置が講じられるダムのことです。

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参考文献

  • 国土交通省水管理・国土保全局「水源地域対策特別措置法について」
  • e-Gov法令検索「水源地域対策特別措置法(昭和四十八年法律第百十八号)」