気象光学現象

太陽柱(サンピラー)のメカニズムと観測

太陽柱(サンピラー)のメカニズムと観測
太陽柱(サンピラー)は、大気中の氷晶が太陽光を反射することで発生する光学現象です。その発生原理や関連する光柱現象について解説します。

📌 主なポイント

  • 太陽柱は、大気中の六角板状の氷晶による太陽光の反射で発生する。
  • 主に日の出や日没時に観測される大気光学現象である。
  • 地上の光源が反射して発生する現象は「光柱(ライトピラー)」と呼ばれる。

太陽柱(たいようちゅう)、またはサンピラー(英語: sun pillar)は、日の出や日没時に太陽から垂直方向に炎のような光の筋が伸びて見える大気光学現象です。この現象は、大気中に浮遊する氷の結晶(氷晶)が太陽光を反射することで発生します。

アメリカ合衆国 ウェストバージニア州で撮影された太陽柱
アメリカ合衆国 ウェストバージニア州で撮影された太陽柱(2011年3月)

発生のメカニズム

太陽柱は、雲の中に含まれる六角板状の氷晶によって引き起こされます。風が弱い環境下では、これらの氷晶は落下の際の空気抵抗により、地面に対してほぼ水平に浮かぶ性質があります。太陽光がこの水平に並んだ氷晶の表面で反射されると、太陽の虚像が積み重なって光の柱のように見えます。反射のみによる現象であるため、光の分光は起こらず、太陽の色(夕日であればオレンジ色など)がそのまま反映されます。

カリフォルニア州の太平洋沿岸で撮影された太陽柱
アメリカ合衆国 カリフォルニア州の太平洋沿岸で撮影された太陽柱

主に巻層雲や高層雲などの氷晶を含む雲がある場合に観測されやすく、氷点下10度から20度以下の環境で発生するダイヤモンドダストによっても同様の現象が見られます。日本では冬季の北海道内陸部などで観測されることが知られています。

大阪市から見た六甲山方面の太陽柱
大阪市から見て六甲山方面に現れた太陽柱(2008年7月6日)

関連する現象

太陽柱と類似した現象には、光源や状況に応じて以下のものがあります。

  • 月柱(げっちゅう):太陽ではなく月の光が氷晶に反射して発生する現象です。
  • 光柱(ライトピラー):地上の街灯や漁火などの人工光源が、上空の氷晶に反射して発生する現象です。光源が平行光線ではないため、太陽柱よりも高く伸びて見えることがあります。
アラスカ州で撮影された白銀色の光柱
アメリカ合衆国 アラスカ州フェアバンクスで撮影された白銀色の光柱

よくある質問

太陽柱はなぜ発生するのですか?
大気中に浮遊する六角板状の氷晶が、空気抵抗により水平に並び、そこに太陽光が反射することで太陽の虚像が縦に連なって見えるためです。
太陽柱と光柱の違いは何ですか?
太陽柱は太陽光を光源としますが、光柱は地上の街灯や漁火などの人工光源を反射して発生する現象を指します。
太陽柱は季節を問わず見られますか?
はい。上空の雲が氷晶で構成されていれば、季節を問わず観測可能です。

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参考文献

  • 村井昭夫, 鵜山義晃『雲のカタログ 空がわかる全種分類図鑑』草思社、2011年、138頁。
  • リチャード・ハンブリン 著、村井昭夫 訳『驚くべき雲の科学』草思社、2011年、85頁。
  • ウェザーニュース「夜空に無数の光の筋「光柱」が出現 福井」(2021年5月7日)