気象衛星

スオミNPP:気象観測衛星の概要と役割

スオミNPP:気象観測衛星の概要と役割
スオミNPP(Suomi NPP)は、アメリカ海洋大気庁(NOAA)が運用する極軌道気象衛星です。その開発の経緯、搭載機器、および気象観測における役割について解説します。

📌 主なポイント

  • スオミNPPは2011年10月28日にデルタIIロケットで打ち上げられた。
  • 高度約824kmの太陽同期軌道を周回し、1日約14回地球を観測する。
  • 名称は気象学者のヴェルナール・スオミに由来する。

スオミNPP(Suomi National Polar-orbiting Partnership、Suomi NPP)は、アメリカ海洋大気庁(NOAA)が運用する極軌道周回型の気象衛星です。本衛星は、次世代の気象観測システムであるJPSS(Joint Polar Satellite System)への橋渡しを目的として開発されました。

衛星の名称は、ウィスコンシン大学マディソン校で活躍した気象学の先駆者、ヴェルナール・スオミにちなんで命名されました。この名称は、打ち上げから約3か月後の2012年1月24日に公式発表されています。

開発の経緯

元々、本計画は「NPOESS予行計画(NPOESS Preparatory Project)」として開始されました。これは、NOAAのPOES衛星シリーズおよびアメリカ国防総省のDMSP衛星を統合・更新する巨大プロジェクト「NPOESS」の先駆けとなる予定でした。しかし、計画の変更により国防総省が撤退したことを受け、NOAA主導の民生用気象観測システムとして再編されました。NASAの地球観測システム(EOS)から続く気候変動データの継続性を確保する重要な役割を担っています。

クリーンルームでのスオミNPP
打ち上げ前のクリーンルームにおけるスオミNPP衛星

2011年10月28日、カリフォルニア州のヴァンデンバーグ空軍基地から、デルタIIロケット(7920-10構成)によって打ち上げられ、高度約824kmの太陽同期軌道に投入されました。

搭載機器と観測能力

スオミNPPは、地球を1日に約14回周回し、以下の5つの主要な観測装置を用いてデータを収集しています。

  • ATMS(Advanced Technology Microwave Sounder):全球の湿度および温度プロファイルを観測するマイクロ波放射計。
  • CrIS(Cross-track Infrared Sounder):湿度および気圧を精密に観測するマイケルソン干渉計。
  • OMPS(Ozone Mapping and Profiler Suite):オゾン層の濃度を測定し、オゾンホールの推移を監視する分光器群。
  • VIIRS(Visible Infrared Imaging Radiometer Suite):22チャンネルの放射計。山火事、海氷、地形の変化などを可視光および赤外線領域で捉えます。
  • CERES(Clouds and the Earth's Radiant Energy System):地球の熱放射や日射反射を観測する放射計。
デルタIIロケット
ペイロードフェアリングに格納されたスオミNPP

2011年11月21日にはVIIRSセンサーによる最初の観測データが取得され、その後、地球の全景を捉えた高解像度画像「ブルー・マーブル2012」などが公開され、その観測能力の高さが示されました。

ブルー・マーブル2012
スオミNPPのデータから作成された「ブルー・マーブル2012」
VIIRSファーストライト
VIIRSによる最初の観測画像

よくある質問

スオミNPPの主な目的は何ですか?
次世代の気象観測衛星システムであるJPSSへの橋渡しとして、気象観測データの継続性を確保することです。
スオミNPPはどの機関が運用していますか?
アメリカ海洋大気庁(NOAA)が運用を行っています。
搭載されているVIIRSとはどのような装置ですか?
22チャンネルの放射計で、可視光および赤外線領域を用いて山火事や海氷、地形の変化などを詳細に観測する装置です。

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参考文献

  • NASA, "Suomi NPP Mission Overview"
  • Aviation Week, "NPP Satellite Reaches Orbit"
  • GAO, "POLAR-ORBITING ENVIRONMENTAL SATELLITES: Information on Program Cost and Schedule Changes"