気象学

地上天気図の仕組みと構成

地上天気図の仕組みと構成
地上天気図の定義、気圧配置の表現方法、国際式天気図の記号体系について解説します。

📌 主なポイント

  • 地上天気図は海抜0mに換算した海面気圧を用いて作成される。
  • 国際式天気図はWMOの基準に基づき、SYNOP電文を使用して作成される。
  • 風向・風力は矢羽の向きと本数で、天気は00-99の記号で表現される。

地上天気図(ちじょうてんきず、英語: surface analysis)は、地上付近の気象状況を可視化した地図です。一般的に「天気図」と呼称されるものの多くは、この地上天気図を指します。高層の気象状況を示す高層天気図とは区別されます。

気圧配置の表現

地上天気図の主目的は、等圧線、高気圧、低気圧、前線などの気圧分布(気圧配置)を表現することです。これらは大気の状態や擾乱と密接に関連しており、気圧配置を分析することで、特定の地点における天候の推移を予測することが可能となります。

図上に描かれる気圧や等圧線は、海抜0mにおける海面気圧に換算された値です。観測地点の標高による気圧差を補正するこの計算処理は「海面更正」と呼ばれます。

国際式天気図

学術研究や気象予報の現場では、世界気象機関(WMO)が定めた統一基準に基づく「国際式天気図」が用いられます。この天気図は、地上実況気象通報式(SYNOP)の電文データをもとに作成されます。

地点ごとの気象要素

国際式天気図では、各観測地点のデータを特定の記号体系でプロットします。主な要素は以下の通りです。

  • 雲量:中央の円の塗りつぶし具合で表現。
  • 風向・風力:円から伸びる矢羽の向きと本数で表現。
  • 気象要素:気温、露点温度、視程、現在天気、過去の天気、気圧変化量などが、円の周囲に決められた配置で記載されます。

風速はノット(kt)単位で表され、5ノット単位で矢羽を組み合わせて表現します。また、天気記号は00から99までの100通りのパターンが定義されており、観測された現象に応じて使い分けられます。

日本における運用

日本では気象庁が東アジア・西太平洋地域を対象とした国際式天気図を1日4回作成・配信しています。一方で、マスメディアや教育現場では、国際式を簡略化した「日本式天気図」が用いられることもあります。日本式は前線や等圧線、高低気圧の位置関係を重視した構成となっており、専門的な知識がなくても大まかな気象状況を把握しやすいのが特徴です。

よくある質問

地上天気図と高層天気図の違いは何ですか?
地上天気図は海面付近の気圧配置や天気を表すのに対し、高層天気図は上空の一定の気圧面における気象状況を表します。
海面更正とは何ですか?
観測地点の標高による気圧の差を補正し、すべて海抜0mにおける気圧に換算する計算処理のことです。
天気図の風速の単位は何ですか?
国際式天気図ではノット(kt)が用いられます。

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参考文献

  • World Meteorological Organization (WMO) Manual on Codes
  • 気象庁 気象観測の手引き