化学
懸濁液の基礎知識と物理的性質

懸濁液(サスペンション)の定義、コロイド溶液との違い、具体的な例や物理的性質について解説する百科事典記事です。
📌 主なポイント
- ✓懸濁液は、固体粒子が液体などの流体中に分散した分散系である。
- ✓光学的粒子の懸濁液は静置すると時間が経つにつれて沈殿が生じる。
- ✓コロイド溶液とは異なり、懸濁粒子は顕微鏡で観察することができる。
懸濁液(けんだくえき)とは、固体粒子が液体中に分散している分散系のことである。英語ではサスペンション(suspension)あるいはスラリー(slurry)と呼ばれ、ドイツ語のズスペンジオーン(Suspension)に由来する呼び名としてサスペンジョンと言われることもある。
分散している粒子はコロイド粒子程度の大きさである場合もあれば、それよりも大きな光学的粒子のこともある。コロイド粒子の場合は懸濁コロイドと呼ばれることがあり、光学的粒子の懸濁液を特に懸濁液と区別して呼ぶ場合もある。
コロイド溶液との違い
光学的粒子の懸濁液は、コロイド溶液とは異なり、時間が経過すると定常状態に落ち着くという特徴を持つ。懸濁粒子は顕微鏡で観察することが可能であり、静置しておくと時間の経過とともに沈殿する。この点で、粒子がより小さく沈殿を起こさないコロイド液とは異なる性質を示す。
また、溶質が固体として存在せず溶質と溶媒が均質に混ざり合っている(真の)溶液とは異なり、懸濁液は不均一な系を形成する。
分散媒と具体例
懸濁状態において、分散媒は流体(液体や気体等の総称)である。したがって、気体中に固体粒子が分散した状態のものも広義の懸濁に含まれることがある。
身近な懸濁液の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
- 土や粘土、シルトを水に混ぜた泥水
- 泥漿(でいしょう)
- 小麦粉を溶いた水
- 絵具
- 水中に分散させたチョークの粉
- 石灰乳

よくある質問
懸濁液と溶液の違いは何ですか?
(真の)溶液では溶質と溶媒が均質に混ざり合い固体として存在しませんが、懸濁液は固体粒子が液体中に分散している不均一な系です。
懸濁液の身近な例にはどのようなものがありますか?
泥水、小麦粉を溶いた水、絵具、石灰乳などが懸濁液の代表的な例です。
関連記事
分散系コロイド溶液混相流
参考文献
日本国内の一般的な化学辞典および物理化学の基礎資料に基づく。