気象学

SYNOP(地上実況気象通報式)の概要と役割

SYNOP(地上実況気象通報式)は、世界気象機関(WMO)が定める気象観測データの数値コード形式です。その構造、用途、および現代の気象観測における役割について解説します。

📌 主なポイント

  • SYNOPは世界気象機関(WMO)が定める気象通報式「FM-12」の通称である。
  • 主に3時間ごとの定時観測データを数値コード化して伝送するために用いられる。
  • 地上天気図の作成において重要な役割を果たすが、航空気象用のMETARとは用途や気圧の定義が異なる。

SYNOP(Surface Synoptic Observations)は、世界気象機関(WMO)が定めた国際的な気象通報式の一つであり、数値コード形式FM-12として知られています。世界各地の有人および無人の気象観測所から収集された観測データを、標準化された数値列として伝送するために使用されます。

通報の仕組み

SYNOPは、主に3時間ごと(協定世界時の00:00, 03:00, 06:00...)に観測所から通信網を通じて送信されます。電文は、気温、気圧、視程、風向・風速、雲の状態など、一般的な気象要素を記述した数値グループで構成されています。特定のデータが存在しない場合や観測不能な場合は、スラッシュ(/)を用いて欠測が示されます。

天気図への活用

SYNOPデータは、地上天気図を作成するための主要な情報源です。航空気象で用いられるMETAR(定時飛行場実況気象通報式)とは用途が異なり、METARは主に航空機の運航安全を目的としています。特に気圧の取り扱いにおいて、SYNOPは海面更正気圧を使用するのに対し、METARは飛行場の標高に基づいた気圧規正値(QNH)を使用することが多いため、両者は直接的な互換性がない場合があります。

現代における動向

SYNOPは長年にわたり気象観測の基盤を支えてきましたが、近年ではより効率的なデータ伝送が可能なバイナリー形式への移行が進んでいます。そのため、従来のテキストベースのSYNOP形式による通報は、長期的には減少傾向にあると考えられています。

よくある質問

SYNOPとMETARの主な違いは何ですか?
SYNOPは地上天気図の作成を目的とした広域的な気象観測データであるのに対し、METARは航空機の運航安全を目的とした飛行場周辺の気象データです。気圧の算出方法なども異なります。
SYNOPのデータはどのくらいの頻度で送信されますか?
一般的に3時間ごとの定時観測に合わせて送信されます。
なぜSYNOP形式の通報は減少しているのですか?
より効率的なデータ伝送が可能なバイナリー形式の利用が拡大しているためです。

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参考文献

  • World Meteorological Organization (WMO), "Manual on Codes (WMO-No. 306)"