防災・土木技術
畳堤:地域の協力で築く伝統的な治水施設

畳堤(たたみてい)の概要、構造、歴史的背景を解説。地域住民が協力して畳を堤防に立て掛け、洪水を防ぐ日本の伝統的な治水手法について紹介します。
📌 主なポイント
- ✓畳堤は、堤防に畳を立て掛けて一時的に嵩上げを行う治水手法である。
- ✓運用には地域住民間の協力と日頃からの訓練が不可欠である。
- ✓宮崎県延岡市の五ヶ瀬川畳堤は、土木学会の選奨土木遺産に選定されている。
- ✓兵庫県たつの市や岐阜県岐阜市などにも歴史的な畳堤の遺構が存在する。
畳堤(たたみてい)とは、河川の増水時に既存の堤防の上部へ畳を立て掛けることで、堤防を一時的に嵩上げし、洪水の浸水を防ぐための治水手法です。この手法は、地域住民が日頃から協力し、緊急時に迅速な対応を行うというコミュニティの連携を前提としています。
構造と仕組み
畳堤の堤防上部は、畳を差し込んで固定するための欄干状の構造になっています。増水の危険が迫った際、地域住民が協力して畳をこの差込口に嵌め込み、堤防の高さを物理的に引き上げます。この仕組みは、限られた予算や資材の中で、地域コミュニティの結束によって水害から町を守るために考案されました。


主な現存地
畳堤は、かつて各地で見られた治水手法ですが、現在では歴史的な治水施設として一部の地域でその姿を確認することができます。主な場所として、兵庫県たつの市の揖保川沿い、岐阜県岐阜市の長良川沿い、宮崎県延岡市の五ヶ瀬川沿いなどが挙げられます。特に五ヶ瀬川の畳堤は、その歴史的価値が評価され、土木学会の選奨土木遺産にも選定されています。
よくある質問
畳堤はどのような仕組みで洪水を防ぐのですか?
堤防上部に設けられた欄干状の差込口に、地域住民が畳を立て掛けて嵌め込むことで、堤防の高さを一時的に嵩上げし、越水を防ぐ仕組みです。
なぜ畳を使うのですか?
古くから各家庭にあり、身近で入手しやすかった畳を、緊急時の止水資材として活用する知恵から生まれた手法です。
現在でも畳堤は使われていますか?
現代の河川整備ではコンクリート堤防などが主流ですが、歴史的な治水施設として保存・活用されている場所があります。
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堤防治水選奨土木遺産水害
参考文献
- たつの市教育委員会・たつの市小学校社会科副読本編集委員会.“水害から町を守る(畳堤)”.わたしたちのたつの市.
- 一般社団法人延岡観光協会.“畳堤”.
- 公益社団法人土木学会.“五ヶ瀬川畳堤”.選奨土木遺産.