タクシーの制度と歴史的背景に関する概説

📌 主なポイント
- ✓タクシーは旅客と個別の運送契約を結んで運行される柔軟性の高い公共交通機関である。
- ✓「taxicab」という語は、タクシーメーターとカブリオレの合成語に由来する。
- ✓日本における初のタクシー会社は1912年7月10日に東京で設立された。
- ✓運賃制度には、メーター制や交渉制、定額制などの方式が存在する。
タクシー(英語: taxi)とは、旅客が運転手に乗車の申し込みを行い、個別契約を結んで旅客輸送を行う公共交通機関、およびその輸送に供される車両全般を指します。
鉄道や路線バスが運行計画や経路をあらかじめ設定し、一度に多数の旅客を輸送するのに対し、タクシーは利用者の意思によって運行内容が決定され、小規模な人数で移動を行うため、高い柔軟性を持つ点が特徴です。
語源と歴史的背景
英語の「taxicab」という言葉は、走行距離や時間に応じて料金を算出する「taximeter(タクシーメーター)」と、馬車の一種である「cabriolet(カブリオレ)」の合成語に由来します。
タクシーメーターの語源となった「Taxe」はドイツ語などで税や料金を意味し、最終的には古代ギリシャ語の「τάξις(タキス)」に帰着すると考えられています。
近代的なタクシーメーターを備えた営業車両は、1898年3月9日にフランスのパリで登場しました。その後、1907年頃までにロンドンやニューヨークへ普及していきました。
日本においては、1912年7月10日に東京・有楽町で国内初のタクシー会社である「タクシー自働車株式会社」が設立され、同年8月5日から営業が開始されました。この出来事にちなみ、8月5日は「タクシーの日」に制定されています。
運行と料金制度
タクシーの利用にあたっては、駅や街頭のタクシー乗り場から乗車する方法のほか、大都市部などでは空車が走行しながら乗客を探す「流し営業」、電話や専用アプリケーションを介した配車依頼などが行われます。乗客が目的地を告げ、運転手がこれを了解した時点で個別の運送契約が成立します。
運行内容が一定ではないため、運賃の算出には以下のような方式が採用されています。
- メーター制:車載のタクシーメーターにより、走行距離や経過時間に応じて運賃が変動する方式。
- 交渉制:乗車前に乗客と運転手の間で料金を取り決める方式。公平性の観点から課題が残る場合があり、開発途上国や一部地域の合意形成で見られることがあります。
- クーポン制・定額制:あらかじめ目的地ごとに料金が定められている方式で、空港シャトルなどで利用されます。
近代の動向と課題
2000年代以降、情報技術の発展に伴い、スマートフォン等を用いた配車プラットフォーム(いわゆるウーバー型サービス)が世界的に普及しました。一方で、許認可を受けずに自家用車を用いて有償で旅客運送を行う「白タク」行為や、配車サービスをめぐる既存の規制との摩擦、運転手によるトラブルなどが社会的な問題として議論されています。
また、2020年代に入ると、アメリカなどの一部都市において自動運転技術を活用した無人タクシーの商業運行が開始されました。しかし、交通インフラや緊急車両との交錯をめぐる事故、都市部の混乱に伴う放火・襲撃の対象となるなどの新たな課題も表面化しています。
よくある質問
タクシーの語源は何ですか?
日本で最初のタクシー会社はいつ設立されましたか?
タクシーの主な料金計算方式にはどのようなものがありますか?
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参考文献
- A History of the Taxicab, Early Sports 'n' Pop-Culture History Blog, 2016.
- Smart FLASH「日本初のタクシー会社誕生…初乗りはうどん1杯の30倍/7月10日の話」光文社、2021年。
- 日経ビジネス「米GM系無人タクシー、事故で運行停止 市民の4割『でも人より安全』」2023年。