通信技術

電報の歴史と現代における役割

電報の歴史と現代における役割
電報の歴史、通信手段としての変遷、および現代の日本における冠婚葬祭を中心としたサービス形態について解説します。

📌 主なポイント

  • 電報は、電気通信手段を用いてメッセージを伝送し、紙に印刷して配達するサービスである。
  • 日本では1870年に東京・横浜間で公衆電報の取り扱いが開始された。
  • 現代の日本では、主に冠婚葬祭における祝電・弔電として利用されている。
  • 2026年5月より、NTT東西の電報サービスは特定信書便事業へ移行した。

電報(でんぽう)とは、メッセージを電気通信手段を用いて伝送し、紙などの媒体に印刷して受取人へ配達する通信サービスです。かつては緊急連絡の主要な手段でしたが、電話やインターネットの普及に伴い、その役割は大きく変化しました。

通信手段としての変遷

電報は、サミュエル・モールスが1837年に開発した電信機を基盤として発展しました。日本では1870年(明治2年)に東京・横浜間で国内電報の取り扱いが開始されたのが始まりです。当初はモールス信号を用いた人力による打鍵と中継が行われていましたが、技術の進歩とともにテレタイプ端末による自動中継、さらには現代のデジタル通信へと移行しました。

20世紀半ばまで、電報は肉親の危篤や緊急の呼び出しなど、迅速性が求められる連絡手段として不可欠な存在でした。しかし、電話網の整備が進むにつれ、緊急連絡としての需要は急速に減少しました。

現代の日本における電報サービス

現代の日本では、電報は主に結婚式での「祝電」や葬儀での「弔電」といった冠婚葬祭の儀礼的なメッセージを送る手段として定着しています。NTT東日本およびNTT西日本が提供する電報サービスは、2026年(令和8年)5月27日より、電気通信事業から信書便法に基づく特定信書便事業へと移行しました。

この移行に伴い、一部の離島やへき地への配達は日本郵便のレターパックを利用する形式に変更され、日時指定ができないなどの制約が生じています。また、かつて提供されていた緊急連絡用の「定文電報」や船舶向けの「無線電報」は、2023年1月に廃止されました。

電報類似サービス

2003年の信書便法施行以降、郵便事業者や民間事業者による「電報類似サービス」が多数展開されています。これらは総務省の規定に基づき、電報受付番号「115」を利用して申し込むことが可能なサービスもあり、多様な台紙や付加価値サービスが提供されています。

よくある質問

電報は現在でも緊急連絡に使えますか?
かつては緊急連絡手段として利用されていましたが、現在は電話やインターネットの普及により、主に冠婚葬祭の祝電・弔電用として利用されています。
電報の申し込みはどこからできますか?
NTT東西の電報サービスや、民間事業者が提供する電報類似サービスを通じて、電話やインターネットから申し込むことが可能です。
電報サービスは電気通信事業ではないのですか?
2026年5月27日の法改正により、NTT東西の電報サービスは電気通信事業から信書便法に基づく特定信書便事業へ移行しました。

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電気通信事業信書便モールス符号日本電信電話

参考文献

  • 日本大百科全書【電報】
  • NTT東日本・NTT西日本「特定信書便としての電報サービスの提供について」(2026年2月20日)
  • インプレス「NTT東西、電報サービスを新たに「特定信書便」として提供 KDDIは国際電報サービスを終了」(2026年2月24日)
  • 総務省「電報類似サービス(電報に準ずる特定信書便役務)の受付用への115番の使用について」(2009年6月1日)