テラサーエックス:ドイツの高性能地球観測レーダー衛星
📌 主なポイント
- ✓TerraSAR-Xは2007年6月15日にバイコヌール宇宙基地からドニエプルロケットによって打ち上げられた。
- ✓ドイツ航空宇宙センター(DLR)とEADS アストリアムの官民パートナーシップによって開発された。
- ✓Xバンド合成開口レーダー(SAR)を搭載し、商用画像サービス衛星として世界初となる高解像度観測を実現した。
TerraSAR-X(テラサーエックス)は、2007年に打ち上げられたドイツの地球観測衛星である。Xバンド合成開口レーダーを搭載した商用画像サービスの衛星としては世界初であり、Lバンドなどを用いる従来の合成開口レーダー衛星と比較して、より高精度な地表解像度を実現している。さらに、2010年に打ち上げられた同型の衛星TanDEM-X(タンダムエックス)と連携した観測を行うことで、高精度な3次元地形データの取得も可能となった。
計画の背景と開発
TerraSAR-Xは、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)とEADS アストリアム(現エアバス・ディフェンス・アンド・スペース)による官民パートナーシップ(PPP)によって進められた最初の衛星計画である。Xバンドレーダーの高精度な画像を撮影し、科学研究と商業利用の両目的に活用することを目的としている。
衛星の製造と打ち上げに要した総費用1億3000万ユーロのうち、ドイツ航空宇宙センター(DLR)が1億200万ユーロ、アストリウム側が2800万ユーロを分担した。2002年にアストリウムが製作を受注し、ドイツ南部のフリードリヒスハーフェンにある同社の衛星製造施設で組み立てが行われた。
打ち上げと軌道
TerraSAR-Xの形状は長さ4.9メートルの六角柱であり、その側面の一つに合成開口レーダーのアンテナアレイが取り付けられている。2007年6月15日、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地より、ISCコスモトラス社のドニエプルロケットによって打ち上げられた。地球の明暗境界線上を周回する太陽同期軌道に投入され、正式な運用は2008年1月7日に開始された。
運用と観測機器
衛星の運用時間は、科学研究事業と商用事業で半分ずつ分割されている。科学研究目的の画像配布はDLRの管理下で行われ、一般顧客向けにはアストリウムの子会社であるインフォテラ(Infoterra)社を通じて画像が販売される。搭載されている主な観測機器は以下の通りである。
- TSX-SAR(TerraSAR-X SAR instrument):Xバンド合成開口レーダー
- レーザー光通信の実験装置
- 衛星追跡のためのレーザー反射器
災害および環境観測への活用
定常的な観測サービスのほか、TerraSAR-Xは突発的な災害や自然環境の変化に対する緊急観測にも活用されている。
2011年3月に発生した東日本大震災においては、DLRから国際災害チャータを通じて日本に画像が提供されたほか、日本国内の代理店であるパスコも津波被害に関する衛星画像を撮影・公開した。また、2013年7月には光学観測が困難な極夜の南極においてパイン島氷河の亀裂拡大を観測し、巨大氷山の発生をとらえた。さらに2014年1月には、南極海で氷に閉じ込められたロシアの調査船と中国の砕氷船の救援活動において、周辺海氷の状況を撮影した画像をオーストラリアの救助センターに提供し、支援を行った。
よくある質問
TerraSAR-Xの主な目的は何ですか?
TerraSAR-Xはどのように打ち上げられましたか?
TanDEM-Xとの連携による利点は何ですか?
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参考文献
- Kosmotras, "9th Launch of SS-18 Rocket - TerraSAR-X Mission", 2007-06-15.
- DLR Portal site, "TerraSAR-X goes into operation", 2008-01-09.
- DLR Portal site, "TanDEM-X delivers first 3D images", 2010-07-22.
- JAXA, "東日本大震災対応報告書~地球観測衛星及び通信衛星による対応の記録~", 2011-11.
- BBC News, "Antarctic's Pine Island glacier produces giant iceberg", 2013-07-10.
- DLR Portal site, "DLR satellite data helps in the rescue of the Akademik Shokalskiy", 2014-01-09.