Uncategorized

熱伝導の物理的メカニズムとフーリエの法則

熱伝導の物理的メカニズムとフーリエの法則

熱伝導(thermal conduction)とは、固体または静止している流体の内部において、高温側から低温側へ熱エネルギーが移動する現象を指します。熱力学第二法則に基づき、熱は自発的に高温部から低温部へと伝わります。

熱伝達のメカニズム

物質の種類によって熱伝導の主な担い手は異なります。金属においては、主に以下の2つの機構がエネルギー伝達に寄与しています。

  • 伝導電子によるエネルギー伝達:自由電子が移動することで熱を運びます。
  • フォノン(格子振動)によるエネルギー伝達:結晶格子の振動が隣接する原子へ伝わることでエネルギーが移動します。

一般に、電気の良導体は熱の良導体でもあります(ヴィーデマン=フランツ則)。金属では伝導電子の寄与が支配的であるため、絶縁体よりも高い熱伝導性を示します。一方、ダイヤモンドのような非常に硬い固体では、フォノンによる熱伝導が極めて大きな役割を果たします。

\"フーリエの法則を示すベクトル式\"
フーリエの法則:J = -λ grad T

フーリエの法則

定常状態に近い領域において、単位時間に単位面積を通過する熱流束密度 J [W/m²] は、温度勾配 grad T に比例します。この関係はフーリエの法則として知られ、以下の式で表されます。

\"1次元におけるフーリエの法則\"
1次元におけるフーリエの法則

ここで、比例係数 λ は熱伝導率(thermal conductivity)と呼ばれます。物質が等方的であれば λ はスカラー量ですが、非等方的な系ではテンソルとして扱われます。

熱伝導方程式

エネルギー保存則とフーリエの法則を組み合わせることで、温度場の時間変化を記述する熱伝導方程式が導かれます。単位体積当たりの熱容量を CV とすると、熱伝導方程式は拡散方程式の形式をとります。

\"熱伝導方程式\"
熱伝導方程式

物体内部に発熱源 Q [W/m³] が存在する場合、エネルギー保存則に項が追加され、方程式は以下のように修正されます。

\"内部発熱がある場合の熱伝導方程式\"
内部発熱がある場合の熱伝導方程式

温度依存性

参考文献

  1. 比熱容量と密度の積
  2. 一色尚次; 北山直方『伝熱工学 新装第2版』森北出版、2018年、4頁。
  3. 望月貞成; 村田章『伝熱工学の基礎』日新出版、2000年、6-7頁。ISBN 4-8173-0166-X。
  4. “球状アルミナ”. デンカ. 2023年8月19日閲覧。
  5. 一色尚次; 北山直方『伝熱工学 新装第2版』森北出版、2018年、5頁。