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サーミスタの概要と特性

サーミスタの概要と特性
サーミスタは温度変化に応じて電気抵抗が大きく変化する受動素子です。NTC、PTC、CTRの分類や、温度測定・回路保護などの応用について解説します。

📌 主なポイント

  • サーミスタは温度変化に対して電気抵抗が大きく変化する受動素子である。
  • NTC、PTC、CTRの3種類に大別され、それぞれ温度特性が異なる。
  • NTCサーミスタは温度測定や突入電流防止に、PTCサーミスタは回路保護やヒーターに利用される。
  • 温度と抵抗値の関係を計算するためにB定数やスタインハート・ハート式が用いられる。

サーミスタ(Thermistor)は、温度の変化に対して電気抵抗が大きく変化する性質を持つ受動素子です。名称は「Thermal(温度)」と「Resistor(抵抗器)」を組み合わせたかばん語に由来します。この特性を利用して、精密な温度測定や回路の保護、電流制限など幅広い用途で活用されています。

NTCサーミスタ
一般的なNTCサーミスタの例

サーミスタの分類

サーミスタは、温度と抵抗値の変化特性に基づき、主に以下の3種類に分類されます。

NTCサーミスタ

NTC(Negative Temperature Coefficient:負の温度係数)サーミスタは、温度の上昇に伴い抵抗値が減少する素子です。温度と抵抗値の関係が比較的単純な近似式で表せるため、温度センサとして最も広く利用されています。また、電源投入時の突入電流を抑制する目的でも使用されます。構造としては、ニッケル、マンガン、コバルト、鉄などの酸化物を混合し、焼結させたものが一般的です。

PTCサーミスタ

PTC(Positive Temperature Coefficient:正の温度係数)サーミスタは、ある特定の温度を超えると抵抗値が急激に増大する素子です。電流が流れると自己発熱により抵抗が増大し、電流を制限する性質があるため、ヒューズの代わりとなる回路保護素子として利用されます。また、一定温度を維持するヒーターとしても活用されます。

PTCサーミスタ
回路保護素子として用いられるPTCサーミスタ
  • セラミックPTC:チタン酸バリウムを主成分とし、キュリー温度付近での抵抗変化を利用します。
  • ポリマーPTC:低融点ポリマーに導電性粒子を分散させたもので、リチウムイオン電池の保護回路などに用いられます。

CTRサーミスタ

CTR(Critical Temperature Resistor)サーミスタは、ある温度を超えると抵抗値が急激に減少する特性を持ちます。バナジウムの酸化物をベースに製造されます。

温度特性の近似式

NTCサーミスタの温度T[K]と抵抗値Rの関係は、B定数を用いて以下の式で近似されます。

B定数を用いた近似式
R = R0 exp{B(1/T - 1/T0)}

より高精度な近似が必要な場合は、スタインハート・ハート式が用いられます。

スタインハート・ハート式
1/T = a + b ln(R) + c ln^3(R)

この式に含まれるパラメータ(a, b, c)は、素子ごとに指定されています。

よくある質問

サーミスタの主な用途は何ですか?
温度測定用センサとしての利用が一般的ですが、PTCサーミスタは回路保護素子やヒーター、NTCサーミスタは電源回路の突入電流抑制などにも広く使われています。
NTCとPTCの違いは何ですか?
NTCは温度上昇とともに抵抗値が減少する「負の温度係数」を持ち、PTCは温度上昇とともに抵抗値が増大する「正の温度係数」を持つ点が異なります。
スタインハート・ハート式とは何ですか?
NTCサーミスタの温度と抵抗値の関係を、B定数を用いた式よりも高精度に近似するための計算式です。

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参考文献

  • 大泉製作所: NTCサーミスタ技術情報
  • Steinhart-Hart式に関する技術資料