電気工学
三相4線式配電方式の概要と技術的特徴

三相4線式配電方式の仕組み、低圧配電における利用、および電圧特性について解説します。動力と電灯を同一の配電線で供給する効率的な方式です。
📌 主なポイント
- ✓三相4線式は、3本の電圧線と1本の中性線で構成される配電方式である。
- ✓ヨーロッパ等の200V級地域では、動力と電灯を同一の配電線で供給し、設備利用効率を高めている。
- ✓単相電圧は、三相電圧に対して1/√3倍の電圧となる。
- ✓日本国内では主に大規模建築物の構内幹線などで限定的に使用される。
三相4線式とは、三相交流電力を4本の電線を用いて供給する配電方式です。この方式は、3本の電圧線(相線)に加えて、中性点から引き出された1本の中性線を使用することで、三相負荷と単相負荷の両方に電力を供給できる特徴があります。

低圧配電における利用
ヨーロッパ諸国など、商用電源電圧が200V級の地域では、低圧配電方式として広く採用されています。この方式では、三相変圧器の二次側から動力用の三相電源と、中性線を利用した単相電源の両方を取り出します。単相電圧は三相電圧の1/√3倍となり、例えば三相400Vのシステムからは単相230Vが得られます。

日本国内では、主に電力需要密度が高い建築物の構内幹線や、特定の産業用負荷に対して用いられます。動力と電灯を同一の変圧器および配電線で共有できるため、設備の利用効率が高いという利点があります。
特別高圧における適用
過去には、6.6kVのΔ結線三相3線式高圧配電線に中性線を追加して昇圧する、11.4kV Y結線特別高圧三相4線式の運用例が存在しました。この方式は、従来の三相3線式と比較して供給力の向上や電圧降下の抑制が可能でしたが、現在ではほとんど現存していません。
よくある質問
三相4線式で単相負荷はどのように接続しますか?
電圧線(相線)のうちの1本と、接地された中性線との間から電力を取り出すことで、単相負荷へ供給します。
なぜヨーロッパでは三相4線式が一般的なのですか?
動力用の三相電源と電灯用の単相電源を同一の変圧器と配電線で共有できるため、設備利用効率が非常に高いためです。
三相4線式と三相3線式の主な違いは何ですか?
三相4線式は中性線を持つため単相負荷への供給が可能ですが、三相3線式は原則として三相負荷専用の配電方式です。
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参考文献
- 電気学会編「電気工学ハンドブック」
- 各国の配電電圧規格資料