印刷技術
特色 (印刷)
印刷における「特色」とは、プロセスカラーでは再現できない色を表現するために調合されたインクのことです。スポットカラーとも呼ばれ、デザインの表現力向上やコスト調整に用いられます。
📌 主なポイント
- ✓特色は、プロセスカラー(CMYK)では再現できない色を表現するために調合された専用インクである。
- ✓スポットカラーや特練色とも呼ばれ、蛍光色やメタリックカラー、ブランドカラーの再現に用いられる。
- ✓色指定にはDICカラーガイドやPANTONEなどの色見本帳が広く利用される。
- ✓印刷工程では、特色専用の版を作成して印刷を行う必要がある。
印刷における特色(とくしょく)とは、一般的なプロセスカラー(CMYK)の混色では再現が困難な色を表現するために、あらかじめ特定の配合で調合されたインクのことです。業界ではスポットカラーや特練色とも呼ばれます。
概要
プロセスカラーはシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色を掛け合わせることでフルカラーを表現しますが、この方法では蛍光色、金・銀などのメタリックカラー、高彩度なパステルカラー、あるいは純粋な白などを正確に再現することができません。特色インクは、これらの色をあらかじめ調合しておくことで、印刷物において意図した色味を確実に再現するために使用されます。
主な用途
特色は、以下のような目的で広く活用されています。
- 視覚効果の向上:蛍光色やメタリックカラーを使用し、パッケージやポスターの注目度を高める。
- ブランドカラーの再現:企業のロゴマークなど、厳密な色指定(コーポレートカラー)が必要な場合に、常に一定の色味を保つ。
- コストと表現の調整:フルカラー印刷が不要な場合や、少ない色数で効果的なデザインを行いたい場合の2色印刷や単色印刷。
- 特殊な印刷対象:透明なフィルムや色のついた用紙に対して、下地として白インクを印刷する際など。
色指定と入稿
特色印刷を行う際は、印刷業者と色見本(カラーチャート)を共有することが不可欠です。代表的な色見本帳には、DIC株式会社の「DICカラーガイド」や、世界的に利用されている「PANTONE」などがあります。デジタルデータで入稿する場合、Adobe IllustratorやInDesignなどのDTPソフトウェア上で、特色として定義されたスウォッチを指定してデータを作成します。
印刷工程
特色印刷では、プロセスカラーとは別に、特色インク専用の版を作成します。フルカラー印刷と特色を併用する場合、CMYKの4版に加えて、特色の数だけ版を追加して印刷を行います。これにより、プロセスカラーの混色では得られない鮮やかな発色や、特殊な質感を印刷物に付与することが可能です。
主要なインクメーカー・規格
- DIC株式会社:日本国内で広く普及している「DICカラーガイド」を展開。
- 東洋インキSCホールディングス:印刷インキの製造・開発を行う大手メーカー。
- PANTONE:国際的な色見本規格として、デザインや印刷業界で広く採用されている。
よくある質問
特色とプロセスカラーの違いは何ですか?
プロセスカラーはCMYKの4色を掛け合わせてフルカラーを表現する手法ですが、特色はあらかじめ調合された特定のインクを使用するため、プロセスカラーでは再現できない色味や質感を正確に表現できます。
なぜ特色印刷はコストが高くなるのですか?
特色インクの調合費用に加え、印刷工程においてプロセスカラーの版とは別に特色専用の版を作成・準備する必要があるため、通常のフルカラー印刷よりも工程数が増え、コストが高くなる傾向があります。
特色印刷でよく使われる色見本帳は何ですか?
日本ではDIC株式会社の「DICカラーガイド」が一般的であり、国際的には「PANTONE」が広く使用されています。
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プロセスカラー色空間色分解DTPDICカラーガイド
参考文献
- DIC株式会社「DICカラーガイド」製品情報
- 東洋インキSCホールディングス株式会社 企業情報
- PANTONE 公式ウェブサイト