宇宙開発・海洋科学

TOPEX/ポセイドン:日米仏による海洋観測衛星ミッション

NASAとCNESによって打ち上げられた海洋観測衛星ミッション「TOPEX/ポセイドン」の歴史、観測機器、地球科学への応用について解説します。

📌 主なポイント

  • TOPEX/ポセイドンは、NASAとCNESによる共同海洋観測衛星ミッションである。
  • 1992年8月10日にアリアン4ロケットによって打ち上げられた。
  • 海面高度の観測精度は約2cmを達成し、長年の観測から海面が年間約3mm上昇していることなどが報告された。

TOPEX/ポセイドン(TOPEX/Poseidon)は、アメリカ航空宇宙局(NASA)とフランス国立宇宙センター(CNES)が共同で実施した、海面の高度(海面高度)を精密に計測するための海洋観測衛星ミッションである。名称は、 topography experiment の頭文字をとった「TOPEX」と、ギリシア神話の海の神「ポセイドン」に由来するフランス側の高度計名称を組み合わせたものである。

歴史と運用経緯

1992年8月10日、アリアン4ロケットによって打ち上げられ、高度約1,330km、傾斜角66度、周回周期約10日の軌道に投入された。打ち上げ時の重量は2,402kgであった。当初の設計寿命は3年から5年とされていたが、長期間にわたって安定した観測を続け、2005年10月までデータを取得し続けた。その後、後継機であるジェイソン1に観測を引き継いでいる。2005年10月に姿勢制御用のホイールに不具合が発生したため観測を終了し、2006年1月18日に13年間の運用に幕を下ろした。

搭載測器と観測精度

ミッションでは、海面高度を正確に測定するため複数の高度計および位置追跡システムが搭載された。

  • TOPEX高度計:NASAが開発したCバンドおよびKuバンドを用いるレーダ高度計
  • Poseidon高度計CNESが開発したKuバンドを用いるレーダ高度計で、TOPEXとアンテナを共有する。

衛星の正確な位置を把握するため、NASAのレーザー反射鏡(LRA)に加え、CNESの電波を用いるドップラー追跡システム「DORIS」や実験的なGPS受信機が搭載され、総合的な観測精度は約2cmを達成した。

地球科学への応用

レーダ高度計から発信されたパルス波が海面で反射して戻るまでの時間をもとに、衛星と海面間の距離を測定する。平均海面高度は海底の地形に影響されるため、海面高度のデータから海底地形の分布を解析することが可能となる。また、地衡流の関係を利用した海面流速データや波高など、海洋物理学において極めて重要な科学的データをもたらした。長期間のデータ蓄積により、海面が年間約3mmの速度で上昇していることが報告されるなど、地球温暖化や気候変動の研究にも大きく貢献した。

よくある質問

TOPEX/ポセイドンの主な目的は何ですか?
地球規模の海面高度を精密に計測し、海洋の循環や地球科学、気候変動に関するデータを収集することです。
いつ打ち上げられ、いつ運用を終了しましたか?
1992年8月10日に打ち上げられ、13年以上の運用を経て2006年1月18日に運用を終了しました。
どのような観測機器が搭載されていましたか?
NASAが開発したTOPEX高度計と、CNESが開発したPoseidon高度計のほか、位置を正確に測定するためのDORISやレーザー反射鏡などが搭載されていました。

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参考文献

  • NASA公式資料およびCNES公式資料
  • Wikipedia日本語版「TOPEX/ポセイドン」 (2020年5月版等を基に再構成)