航空工学
航空機用エンジンのカウル機構:タウンエンド・リングの概要と歴史

航空機の星形エンジンの抗力低減と冷却効率向上を目的に考案されたタウンエンド・リングの歴史、特徴、および適用機体について解説します。
📌 主なポイント
- ✓タウンエンド・リングは1929年にイギリス国立物理学研究所のヒューバート・タウンエンド博士により考案された。
- ✓航空機用星形エンジンのシリンダー周囲を覆い、抗力低減と冷却効率向上を目的とする奥行きの浅いカウルである。
- ✓ダグラス O-38やウエストランド ウォレスなどの機体に採用されたが、高速域では性能低下が実証された。
タウンエンド・リング(Townend Ring)とは、航空機に搭載される星形エンジンのシリンダー周囲を覆う、奥行きの浅いリング状のカウルである。空気抵抗(抗力)の低減と、エンジンの適切な冷却効率の維持を両立させる目的で考案された。
開発の経緯
タウンエンド・リングは1929年にイギリス国立物理学研究所のヒューバート・タウンエンド博士(Dr. Hubert Townend)によって考案された。イギリスやカナダなどで特許が取得され、アメリカ合衆国においてはその形状と目的から「ドラッグ・リング(drag ring)」と呼ばれることもあった。1930年から1935年頃にかけて、奥行きの深いNACAカウリングが主流になる前の高速機設計に広く取り入れられた。
よくある質問
タウンエンド・リングとは何ですか?
航空機用星形エンジンのシリンダー周囲を覆う、奥行きの浅いリング状のカウルです。空気抵抗の低減と冷却効率の向上を目的としています。
誰によって考案されましたか?
1929年にイギリス国立物理学研究所のヒューバート・タウンエンド博士(Dr. Hubert Townend)によって考案されました。
どのような航空機に採用されましたか?
ダグラス O-38、ビッカース ウェルズレイ、ウエストランド ウォレス、グロスター ガーントレットなどの機体に採用されました。
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参考文献
- Hubert Townend, British Patent GB320131A (1929).
- Herschel Smith, "A History of Aircraft Piston Engines", Sunflower University Press, 1981.