物性物理学
三重臨界点:物理学における相転移の終端点

物性物理学における三重臨界点の定義、相図上の役割、および超伝導体における応用について解説します。
📌 主なポイント
- ✓三重臨界点は、三相共存が終端する相図上の点である。
- ✓一成分系では三重点として現れるが、三重臨界点は主に複数成分の混合系で観測される。
- ✓超伝導体における第一種と第二種の転移に関連する理論的予言が、モンテカルロシミュレーションにより確認されている。
物性物理学において、三重臨界点(さんじゅうりんかいてん、英: tricritical point)とは、三相共存が終端する相図上の点を指します。これは、二相共存が終端する点である通常の「臨界点」の概念を拡張したものです。
相図における定義
一成分系の場合、ギブズの相律(F=C-P+2)に基づくと、三相共存条件は三重点と呼ばれる相図上の一点でのみ成立します。そのため、三重臨界点は通常、複数成分の混合系において観測されます。三成分系の場合、自由度F=2となり、三相共存領域は二次元の広がりを持ちます。この領域は二つの臨界線によって区切られており、これら二つの線が一点で終端する場合、その点が三重臨界点となります。この点は二つの臨界分枝に属するため、「二重臨界」とも呼ばれることがあります。
通常の臨界点と三重臨界点では、上部臨界次元がd=4からd=3へと低下するという違いがあります。これにより、現実の三次元系において古典指数を適用することが可能となります。
よくある質問
三重臨界点はどのような系で観測されますか?
主に複数成分の混合系で観測されます。三成分系以上であれば、三相共存領域が二次元的な広がりを持ち、臨界線が終端する点として三重臨界点が生じ得ます。
通常の臨界点と何が違いますか?
上部臨界次元が異なります。通常の臨界点ではd=4ですが、三重臨界点ではd=3に低下するため、現実の三次元系に対して古典的な臨界指数を適用できるという特徴があります。
超伝導体との関連はありますか?
はい。第一種超伝導体から第二種超伝導体への転移に関連して、三重臨界点の存在が理論的に予言され、2002年のモンテカルロシミュレーションによって確認されています。
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相転移臨界点三重点超伝導ギブズの相律
参考文献
- Widom, B. (1996). "Theory of Phase Equilibrium". The Journal of Physical Chemistry 100 (31): 13190–13199. doi:10.1021/jp9536460
- Kleinert, H. (1982). "Disorder Version of the Abelian Higgs Model and the Order of the Superconductive Phase Transition". Lett. Nuovo Cimento 35: 405–412. doi:10.1007/BF02754760
- Kleinert, H. (2006). "Vortex Origin of Tricritical Point in Ginzburg-Landau Theory". Europh. Letters 74: 889. doi:10.1209/epl/i2006-10029-5
- Hagen Kleinert et al. (2002). "Vortex interactions and thermally induced crossover from type-I to type-II superconductivity". Phys. Rev. B 66: 064524. doi:10.1103/PhysRevB.66.064524