音楽
トロイカ (ロシア民謡)

ロシア民謡「トロイカ」の歴史、日本における受容、および楽団カチューシャによる独自の歌詞の背景について解説します。
📌 主なポイント
- ✓トロイカはロシアの3頭立て馬橇を指す言葉である。
- ✓ロシア語の原詞は馭者の悲しみを歌った哀切な内容である。
- ✓日本で広く親しまれている歌詞は、楽団カチューシャが1952年に創作したものである。
- ✓NHK『みんなのうた』では1961年と1966年に放送された。
「トロイカ」(ロシア語: Тро́йка)は、ロシアの民謡として広く知られる楽曲である。原題は「Вот мчится тройка почтовая」(ほら、郵便トロイカが駆けている)であり、本来「トロイカ」とは3頭立ての馬橇(ばそり)や馬車を指す言葉である。
楽曲の背景と原詞
ロシア語の原詞は、金持ちに恋人を奪われた若い馭者の悲しみを歌った哀切な内容である。雪のヴォルガ川沿いを走るトロイカの上で、馭者が自身の境遇を嘆き、地主の横槍によって恋人が嫁いでいくことへのやるせない思いが綴られている。
よくある質問
なぜ日本で歌われるトロイカは明るい歌詞なのですか?
楽団カチューシャのメンバーが、巡演時の歌唱指導用として、原曲の美しいメロディに独自の明るい歌詞を付けたためです。原詞の悲しい内容とは異なり、ソビエトの若者の喜びを表現する意図で創作されました。
楽団カチューシャの歌詞は誤訳なのですか?
誤訳ではありません。かつては「別の曲を誤って訳した」という説が流布していましたが、作詞に関わった森おくじの証言により、意図的に創作されたものであることが判明しています。
NHK『みんなのうた』で放送されたトロイカはどのようなものですか?
1961年に荒谷俊治編曲・東京少年少女合唱隊の歌で初放送され、1966年には小林秀雄編曲・東京放送児童合唱団の歌でリメイクされました。
関連記事
ロシア民謡みんなのうた馬橇民謡
参考文献
北川剛編「ロシヤ民謡アルバム」(音楽之友社、1979年) / 飯塚書店編集部編「ロシア民謡集」(飯塚書店、1980年) / 長田暁二編「世界抒情歌全集」(ドレミ楽譜出版社、1993年) / 山之内重美「トロイカから私を呼んでまで」(東洋書店、2004年) / 「ロシア民謡を日本に広めた森おくじの世界 楽譜集」(清風堂書店、2014年)