熱帯の気候と地理的定義

📌 主なポイント
- ✓熱帯はケッペンの気候区分において記号「A」で表される。
- ✓熱帯気候の定義には、最寒月の平均気温が18℃以上であるという条件が含まれる。
- ✓熱帯収束帯(ITCZ)の移動が、熱帯地域の降水パターンに大きな影響を与える。
熱帯(ねったい)とは、地球上で緯度が低く、年間を通じて温暖な気候が維持される地域を指します。この地域は地理的な位置関係や、気象学的な気候区分によって定義されます。
地理的定義
緯度に基づく定義では、赤道を中心に北回帰線(北緯約23.4度)と南回帰線(南緯約23.4度)に挟まれた帯状の地域を指します。英語で熱帯を意味する「tropics」という言葉は、この回帰線(tropic)に由来しています。

ケッペンの気候区分
気象学者のウラジミール・ケッペンが提唱した気候区分において、熱帯は記号「A」で分類されます。熱帯気候として定義されるためには、以下の2つの条件を満たす必要があります。
- 最寒月の平均気温が18℃以上であること。
- 年平均降水量が乾燥限界以上であること。
この定義は「冬でも寒くならない地域」を指すものであり、必ずしも「夏に極端に暑くなる地域」を意味するわけではありません。熱帯気候は降水量のパターンにより、主に以下の3つに細分化されます。

熱帯雨林気候 (Af)
年間を通じて降水量が多く、月平均降水量が60mmを下回る月がほとんどありません。赤道付近に広く分布し、四季の変化が乏しいのが特徴です。

熱帯モンスーン気候 (Am)
モンスーン(季節風)の影響を強く受け、乾季と雨季が明確に分かれる傾向があります。年間降水量は非常に多く、一時的に乾燥する時期があっても植生を維持するのに十分な雨が降ります。
サバナ気候 (Aw)
明確な乾季が存在し、熱帯雨林気候と比較して降水量が少ない地域です。年間降水量が1,000mmを下回ることもあります。
熱帯収束帯の影響
熱帯地域では日射量が多いため、地表付近で上昇気流が発生し、低気圧地帯が形成されます。これを「熱帯収束帯(ITCZ)」と呼びます。この収束帯は太陽の移動に伴って南北に動くため、地域によっては季節による降水量の変化をもたらします。

分布と環境変化
熱帯はアマゾン川流域、コンゴ川流域、東南アジア、太平洋の島々などに広がっています。日本においても、南鳥島や沖ノ鳥島、沖縄県の先島諸島の一部などがこの気候区分に含まれる場合があります。地球温暖化の影響により、熱帯気候の分布域が拡大する可能性が指摘されています。


よくある質問
熱帯の定義は何ですか?
熱帯には四季がありますか?
日本に熱帯は存在しますか?
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参考文献
- 矢澤大二『気候地域論考―その思潮と展開―』古今書院、1989年。
- McKnight, Tom L; Hess, Darrel (2000). "Climate Zones and Types: The Köppen System". Physical Geography: A Landscape Appreciation. Prentice Hall.
- 気象庁「日本気候表 全国の平年値一覧」