日本の鉄道路線

筑波山ケーブルカーの歴史と概要

筑波山ケーブルカーの歴史と概要
茨城県つくば市の筑波山を登る筑波観光鉄道のケーブルカー、筑波山鋼索鉄道線の歴史、技術的特徴、車両について解説します。

📌 主なポイント

  • 開業は1925年10月12日。
  • 路線距離は1.634km、高低差は495m。
  • 地磁気観測への配慮から架線を使用せず、蓄電池で走行する。
  • 2015年に土木学会選奨土木遺産に選定された。

筑波山鋼索鉄道線(つくばさんこうさくてつどうせん)は、茨城県つくば市の宮脇駅から筑波山頂駅に至る、筑波観光鉄道が運営するケーブルカー路線です。一般には「筑波山ケーブルカー」の通称で親しまれています。

宮脇駅に停車中の筑波山ケーブルカー車両「わかば」
宮脇駅に停車中の筑波山ケーブルカー車両「わかば」

概要と特徴

関東地方では箱根登山ケーブルカーに次いで2番目に古い歴史を持つケーブルカー路線です。筑波山の西側にある男体山を登るルートで、宮脇駅は筑波山神社拝殿脇に、筑波山頂駅は男体山山頂近くの御幸ヶ原に位置しています。線路は途中で約90度カーブしており、ケーブルカーとしては珍しい線形が特徴です。また、建設時には難工事となった斑れい岩のトンネル(長峰トンネル、全長118m)を通過します。

地磁気観測への影響を避けるため、架線を張らずに車載の蓄電池で電源をまかなう方式を採用しています。駅構内のみ、自動ドア作動用の電源として交流100Vの第三軌条が敷設されています。

宮脇駅の様子
宮脇駅の様子

歴史

1925年(大正14年)10月12日に営業を開始しました。1944年(昭和19年)に不要不急線として一度廃止されましたが、1954年(昭和29年)11月3日に営業を再開しました。1985年には昭和天皇が視察の際にお召し運転が行われています。2015年には、大正期の最新技術を駆使した建設手法が評価され、土木学会選奨土木遺産に選定されました。

車両

現在の車両は1995年に導入されたもので、「わかば」と「もみじ」の愛称で呼ばれています。緑色と赤色の塗装が施されており、2005年にリニューアルが行われました。開業当初の車両は木造車体でしたが、戦後の再開時やその後の更新を経て、現在の車両に至っています。

筑波山ケーブルカー「もみじ」
筑波山ケーブルカー「もみじ」
旧塗装時代の車両
旧塗装時代の車両
筑波山頂駅
筑波山頂駅

よくある質問

筑波山ケーブルカーの所要時間はどのくらいですか?
宮脇駅から筑波山頂駅までの所要時間は約8分です。
架線がないのはなぜですか?
近隣にある気象庁地磁気観測所での観測に影響を及ぼさないようにするためです。
土木学会選奨土木遺産に選ばれた理由は?
コンクリート覆工隧道や90度に方向転換する路線設定など、大正期の最新技術を駆使して建設された点が評価されました。

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参考文献

  • 今尾恵介監修『日本鉄道旅行地図帳』3号 関東1、新潮社、2008年。
  • 国土交通省鉄道局監修『鉄道要覧』令和元年度、電気車研究会、2019年。
  • 筑波観光鉄道公式サイト「ケーブルカーの魅力」「会社概要」。
  • 朝日新聞「空白10年乗り越えきょうも山頂へ 筑波山ケーブルカー開業100年」(2025年10月14日)。
  • 土木学会「平成27年度選奨土木遺産 筑波山ケーブルカー」。