自然現象
つらら(氷柱)の科学と形成

つらら(氷柱)の形成メカニズム、結晶構造、および日本各地の氷柱の名所について解説します。
📌 主なポイント
- ✓つららは水滴が凍結して下方に伸びる氷の棒状構造である。
- ✓つららの内部は多結晶構造であり、凍結時に気泡が取り込まれることで形成される。
- ✓氷筍は下から上へ伸びる氷であり、つららとは成長方向が逆である。
つらら(氷柱)は、水滴が凍結して棒状に成長した氷の現象です。主に岩場や建物の軒下など、水が滴り落ちる場所で形成されます。1983年の対馬勝年らの提案によれば、水滴が凍結して下方に伸びたものを「つらら」、下から上方に伸びたものを「氷筍」、両者が接合したものを「氷柱」と定義することが提唱されています。
形成メカニズムと構造
つららの先端部には、まず薄い氷の管が形成されます。この管の内部には未凍結の水が残されており、周囲から中心に向かって凍結を繰り返すことで成長します。この成長過程は、鍾乳洞における鍾乳石の形成と類似しています。
氷筍とは成長方向が異なるだけでなく、その結晶構造にも違いがあります。氷筍が根元付近を除いて単結晶であることが多いのに対し、つららは多数の結晶粒で構成される多結晶体です。これは、管の中心に向かって凍結が進む際、凍結界面で析出した空気が逃げ場を失い、気泡として取り込まれるためです。
















語源と文化
「つらら」の語源は「つらつら」の転とされ、古くは氷など表面が滑らかで光沢のあるものを指しました。古語では「たるひ(垂氷)」と呼ばれ、現在も東北地方の方言などにその名残が見られます。俳句においては晩冬の季語として親しまれています。
観光資源としての氷柱
日本各地の滝や渓谷では、冬期に形成される巨大な氷柱群が観光名所となっています。また、埼玉県秩父地方のように、散水によって人工的に氷柱を育成する取り組みも行われています。
よくある質問
つららと氷筍の違いは何ですか?
つららは上から下へ、氷筍は下から上へ成長します。また、つららは多結晶構造であることが一般的です。
つららはどのように成長しますか?
先端部にできた氷の管の中に未凍結の水が残り、周囲から中心に向かって凍結を繰り返すことで成長します。
人工的な氷柱は作れますか?
はい、埼玉県秩父地方などの例のように、散水を行うことで人工的に氷柱を育成することが可能です。
関連記事
雪氷筍気象学冬の風物詩
参考文献
- 菅野倫匡「近現代語のコーパスを構築する際の「同字異訓」の問題に関する覚え書き」『筑波日本語研究』第27号、筑波大学、1923年。
- 竹内ほか「低温室にできた氷柱の結品構造」『新潟大災害研年報』第20号、新潟大学、1998年。
- 「氷のカーテン迫力満点 青森・深浦の千畳敷」河北新報ONLINE NEWS(2018年2月7日)。
- 「人工のつらら、幻想的な造形美 埼玉・横瀬」朝日新聞デジタル(2019年1月9日)。