言語学
通訳の仕組みと形態、音声言語および手話の仲介業務

異なる言語話者の間に入り音声や手話を変換する通訳について、逐次通訳や同時通訳などの形態、認知プロセス、専門領域を解説します。
📌 主なポイント
- ✓通訳は、異なる言語を話す人々の間に入り、音声や手話を別の言語へ変換して伝える仲介業務である。
- ✓通訳の主な形式には、逐次通訳、同時通訳、ウィスパリング通訳などがある。
- ✓翻訳が書記言語を対象とするのに対し、通訳は主として音声言語や手話を対象とする技能である。
通訳(つうやく、英: interpreting または interpretation)とは、書記言語ではない二つ以上の異なる言語を理解する者が、ある言語から異なる言語へと音声または手話を用いて変換する行為である。一般的には、異なる言語を話す人たちの間に入り、双方の言語を相手方の言語へと変換して伝える仲介業務を指す。

文字媒体を対象とする翻訳が記号としての書記言語を扱うのに対し、通訳は原則として音声言語や手話を対象とするため、技能的には異なる領域とされる。通訳を行う人を指して通訳者と呼ぶ。

通訳の形式
通訳は、実施される方式や形態によっていくつかの種類に区分される。
逐次通訳
話者の話を数十秒から数分ごとに区切って、順次通訳していく方式である。話者が話している間に通訳者がノートを取り、話が完了してから訳出を行う。同時通訳と比較して時間はかかるものの、訳の正確性が高まるため多くの場面で利用される。
同時通訳
話者の話を聞くとほぼ同時に訳出を行う形態である。通例、会場に設置された通訳ブースに入り、マイクを通じて聴衆のイヤフォンへ音声を届ける。非常に重い負担を伴うため、2人から3人の通訳者が交代しながら作業を行う。




ウィスパリング通訳
同時通訳と同一の方式であるが、ブースを使用せず、通訳を必要とする人の近くでささやくように訳出を行う方式である。高価な設備を必要としないため、企業内の会議などで利用されることがある。
活動領域
通訳者は、国際会議、商談、司法、医療など多様な分野で活動している。

通訳のプロセス
通訳は、起点言語の音韻認知から始まり、語彙や文法による表層構造の理解、および背景知識に基づく深層構造の理解を経て、目標言語への転換と表出を行う一連の認知行動である。
よくある質問
通訳と翻訳の違いは何ですか?
通訳は主に音声言語や手話をリアルタイムまたは順次変換するものであり、翻訳は書記言語(文章)を対象とする点が異なります。
同時通訳はどのように行われますか?
通訳者が専用のブースに入り、話者の発言を聞きながらほぼ同時にマイクを通じて訳出音声を聴衆に届けます。
逐次通訳の特徴は何ですか?
話者の発言を数十秒から数分ごとに区切り、メモを取りながら順次訳出していく方式で、正確性が高いのが特徴です。
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参考文献
- Association Internationale des Interprètes de Conférence (AIIC)
- The American Association of Language Specialists (TAALS)