自然地理学
ツンドラ:寒冷地の自然環境と生態系

ツンドラは、永久凍土や低温により樹木の生育が阻害される寒冷地域の自然環境です。北極、南極、高山における植生や生態系の特徴を解説します。
📌 主なポイント
- ✓ツンドラは、低温により樹木の生育が制限される地域を指す。
- ✓北極ツンドラ、南極ツンドラ、高山ツンドラの3種類に大別される。
- ✓主な植生はコケ植物、地衣類、草本類である。
- ✓地球温暖化による永久凍土の融解が、炭素循環に影響を与えている。
ツンドラ(英: tundra)は、低温のため樹木の生育が阻害される寒冷な地域を指す自然地理学上の区分です。地下に永久凍土が存在し、降水量が少ないことが特徴です。語源は「木のない平原」を意味するサーミ語に由来します。

自然環境と植生
ツンドラ地帯では、短い夏の間だけ地表付近の土壌が融解します。この期間にコケ植物、地衣類、草本類、一部の灌木などが生育します。森林地帯との境界は樹木限界線と呼ばれ、この線より高緯度または高標高の地域がツンドラとなります。

ツンドラの分類
北極ツンドラ
北半球の極北、タイガ地帯の北側に広がる地域です。永久凍土が発達しており、トナカイやレミング、ホッキョクグマなどの動物が生息しています。近年、地球温暖化による永久凍土の融解が進行しており、土壌中の炭素放出が懸念されています。
南極ツンドラ
南極大陸や周辺の島々に存在します。北極圏とは異なり、大型の陸生哺乳類は生息していません。南極半島の一部では、ナンキョクコメススキなどの限られた植物種が確認されています。
高山ツンドラ
緯度に関わらず、標高の高い山岳地帯に形成されるツンドラです。永久凍土を伴わない場合が多く、水はけが良いのが特徴です。森林限界線より上部に位置し、ナキウサギやマーモットなどの動物が見られます。
よくある質問
ツンドラと森林地帯の境界は何と呼ばれますか?
ツンドラと森林地帯の間の移行帯は、樹木限界線と呼ばれます。
南極ツンドラに大型の陸生哺乳類がいないのはなぜですか?
南極大陸は他の大陸から地理的に隔絶されているため、大型の陸生哺乳類は生息していません。
高山ツンドラは永久凍土で構成されていますか?
高山ツンドラの土壌は、一般的に永久凍土ではなく、北極ツンドラと比較して水はけが良いのが特徴です。
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参考文献
小泉武栄「亜寒帯林,ツンドラ,氷雪帯」『自然地理学事典』朝倉書店、2017年、344-345頁。