計量学

単位記号の定義と表記規則

計量単位を簡潔に表現するための単位記号について、国際単位系(SI)および日本の計量法に基づく正確な表記ルール、使用上の注意点を解説します。

📌 主なポイント

  • 単位記号は国際単位系(SI)および日本の計量法に基づき、立体で表記することが義務付けられている。
  • 単位記号は複数形にせず、記号の直後にピリオドを付さない。
  • 人名に由来する単位記号は、最初の文字を大文字で表記する。
  • SI接頭語と単位記号の間にはスペースを入れず、一つの記号として扱う。

単位記号(unit symbol)とは、物理量などの計量単位を簡潔に表現するために定められた記号です。日本では計量法第7条に基づき、計量単位規則によってその表記が規定されています。また、国際的には国際度量衡局(BIPM)が発行する国際単位系(SI)国際文書によって世界共通のルールが定められています。

表記の基本原則

単位記号の表記には、誤解を防ぎ正確な情報を伝達するための厳格なルールが存在します。

  • 立体での表記:単位記号およびSI接頭語記号は、文章の様式にかかわらず常に立体(ローマン体)で表記します。これに対し、物理量の記号はイタリック体で表記するのが通例です。
  • 大文字と小文字の区別:大文字と小文字は厳格に区別されます。例えば、ミリ(m)とメートル(m)の混同を避けるなど、指定された通りに表記する必要があります。
  • 複数形にしない:単位記号は複数形にせず、常に単数形で表記します。
  • ピリオドの不使用:単位記号の直後にピリオドを付けてはなりません。ただし、文章の末尾に単位記号が来る場合は例外的に認められます。

SI接頭語との組み合わせ

SI接頭語は、単位記号と結合して倍量や分量を表す新しい単位記号を形成します。接頭語記号と単位記号の間にはスペースを入れず、不可分な一つの記号として扱います。また、接頭語を重ねて使用することは禁止されています(例:ミリミリメートルは不可)。

組立単位の表記

複数の単位を組み合わせて構成される組立単位の表記には、以下のルールが適用されます。

  • 積の表現:単位同士の積は、中黒(・)、ピリオド(.)、またはスペースを用いて表現します。
  • 商の表現:単位同士の商は、斜線(/)、負の指数、または括弧を用いて表現します。同一行に複数の斜線を用いることは避けるべきです。

なお、仕事や熱量の単位(W・sなど)と電力量の単位(Wsなど)のように、積の記号の有無によって物理的な意味が区別される場合があるため、特に特定計量器の表記においては注意が必要です。

人名に由来する単位記号

アンペア(A)やニュートン(N)など、人名に由来する単位記号は、その最初の文字を大文字で表記します。一方で、人名に由来しない単位記号は小文字で始まるのが原則ですが、電子ボルト(eV)やデシベル(dB)のように、例外的に途中で大文字を含むものも存在します。

よくある質問

単位記号の後にピリオドを付けても良いですか?
原則として付けてはいけません。ただし、文章の末尾に単位記号が来る場合に限り、文の終止符としてピリオドを付けることは許容されます。
単位記号を複数形にする必要はありますか?
いいえ、単位記号は複数形にしません。常に単数形で表記します。
SI接頭語を重ねて使用することはできますか?
いいえ、SI接頭語を重ねて使用することは禁止されています。例えば「ミリミリメートル」のような表記は行わず、適切な接頭語を選択する必要があります。

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国際単位系計量法SI接頭語物理量

参考文献

国際度量衡局 (BIPM)『The International System of Units (SI) 9th edition』(2019)
日本国『計量法』(平成4年法律第51号)
日本国『計量単位規則』(平成4年通商産業省令第80号)