アメリカ合衆国の法執行機関
アメリカ合衆国連邦保安官局の歴史と任務

アメリカ合衆国連邦保安官局(USMS)の歴史、法執行における任務、組織編制について解説する百科事典記事。
📌 主なポイント
- ✓連邦保安官局(USMS)は1789年9月24日の裁判所法に基づき設置された。
- ✓アメリカ合衆国司法省の一部局として運営されている。
- ✓特殊作戦群(SOG)は1971年に創設された連邦法執行機関最古のSWAT部隊である。
連邦保安官局(英語: United States Marshals Service、略称: USMS)は、アメリカ合衆国司法省に属する連邦政府の法執行機関である。司法の円滑な運用と憲法の一貫性を保証するため、連邦裁判所の執行機関として機能している。
歴史
アメリカ合衆国における「マーシャル」の制度は、イギリス本国から持ち込まれた廷吏の役割に由来する。連邦政府においては、連邦裁判所制度の整理を図った1789年の裁判所法によって導入された。
1789年9月24日、初代大統領ジョージ・ワシントンにより旧13植民地の各地域に計13人の連邦保安官が任命され、これが組織の起点となった。当初は管轄区域内における裁判所の廷吏としての役割に加え、政府命令の執行や地域的騒乱状態の鎮圧などが主な職務であった。
1870年に司法省が設立されると、連邦保安官は同省の指揮監督下に入った。その後、一般警察業務の多くが連邦捜査局(FBI)などの他機関へと移管される一方で、連邦保安官局としての組織化が進められ、1969年に正式な局として設置された。
任務
USMSは司法長官の指揮の下、アメリカ合衆国連邦裁判所を基盤とした多岐にわたる法執行任務を所掌している。
- 連邦裁判所の法廷管理および警備
- 逮捕令状、召喚状などの執行
- 連邦犯罪被疑者の護送
- 逃亡者の確保および逮捕
- 証人の身辺警護(証人保護プログラムを含む)
- 地域的騒乱の鎮圧
- その他、司法長官から特別に指示された任務
歴史を通じて、公民権運動期におけるアフリカ系アメリカ人学生の警護や、ミサイル輸送隊の護衛など、独自の警備および執行サービスも提供してきた。
編制と特殊作戦群(SOG)
連邦保安官は、大統領が指名し上院が承認する役職であり、米本土外を含めて94ヶ所の連邦地方裁判所にそれぞれ1名が配置されている。その指揮下で実務を担うのが連邦保安官補である。
特殊作戦群(SOG)
連邦保安官局には、SWAT部隊として特殊作戦群(Special Operations Group, SOG)が編制されている。凶悪犯に対する法執行や危険度の高い警護任務に対応する部隊であり、1971年に創設された。本部はルイジアナ州アレクサンドリアに所在している。
よくある質問
連邦保安官局の主な任務は何ですか?
連邦裁判所の法廷警備、令状の執行、逃亡者の逮捕、連邦犯罪被疑者の護送、および証人保護プログラムの実施などを行っています。
連邦保安官局はどの官庁に属していますか?
アメリカ合衆国司法省の一部局として、司法長官の指揮の下で運営されています。
特殊作戦群(SOG)とは何ですか?
USMSが保有するSWAT部隊であり、1971年に創設された連邦法執行機関の中で最も古い歴史を持つ特殊部隊です。
関連記事
アメリカ合衆国司法省連邦捜査局アメリカ合衆国連邦裁判所証人保護プログラム
参考文献
- 合衆国法典第28編 第37章
- 上野治男『米国の警察』良書普及会、1981年。
- トマイチク,スティーヴン・F.『アメリカの対テロ部隊―その組織・装備・戦術』並木書房、2002年。