気象観測機器

雲高計の仕組みと気象観測における役割

雲高計の仕組みと気象観測における役割
雲高計(シーロメータ)の原理、光学式ドラム雲高計やレーザー雲高計の仕組み、大気観測への応用について解説する気象観測機器の解説記事です。

📌 主なポイント

  • 雲高計は、レーザーや光源を利用して雲底の高さを測定する気象観測装置である。
  • 主な測定方式として、光学式ドラム雲高計(三角測量方式)とレーザー雲高計(パルス往復時間計測方式)がある。
  • 空気分子による光の拡散の影響により、一般的な有効高度は4000メートル程度までとされる。
  • 降水や煙、氷霧などの微粒子にも反応するため、状況によっては誤った測定値を示すことがある。
  • 反射エネルギーのパターンや減衰量を分析することで、鉛直視程や大気汚染物質の濃度の把握にも応用される。

雲高計(うんこうけい、英語: ceilometer)とは、レーザーやその他の光源を用いて、地表から雲底までの高さを測定するための気象観測装置である。雲底計雲高測定器、あるいはシーロメータなどとも称される。

測定方式と原理

雲高計には、主に光学式ドラム方式とレーザー方式の2種類の測定原理が存在する。

レーザー雲高計
レーザー雲高計
  • 光学式ドラム雲高計: 雲の底に向けて光のスポットを投影し、その高さを三角測量によって算出する方式である。回転するプロジェクタ、検出器、レコーダなどで構成される。プロジェクタが角度を変えながら強力な光ビームを空へ放射し、一定距離離れた垂直向きの検出器が雲底からの反射光をとらえることで、三角法に基づき高さを計算する。
  • レーザー雲高計: 垂直に向けられたレーザー発信器と受光器を同一箇所に設置する方式である。光パルスが雲底で散乱して戻ってくるまでの伝播時間(経過時間)を計測し、高さを判定する。
光のパルスが戻ってくるまでの経過時間を示す数式
光の往復にかかる経過時間
距離を計算する数式 distance=c倍のδt割る2
距離の算出式

測定上の特性とその他の応用

空気分子による光の拡散などの影響を受けるため、一般的な雲高計が有効に機能する高度はおおむね4,000メートル(約13,123フィート)までとされる。また、ちり、降水、煙といった空気中のあらゆる微粒子に反応するため、晴天時であっても氷霧(ダイヤモンドダスト)などの発生時には雲底高をゼロと誤認するなど、測定値に影響が生じる場合がある。

一方で、こうしたあらゆる反射を検知する特性を活かし、雲底以外の薄い大気層の検出や、晴天時における減衰量をもとにした消散係数の算出などへの応用も行われている。これらのデータを活用することで、鉛直視程の測定や大気汚染物質の濃度推定といった研究および実運用への展開が進められている。

よくある質問

雲高計とは何をする装置ですか?
レーザーや光源を用いて地表から雲底までの高さを測定するための気象観測装置です。
雲高計にはどのような測定方式がありますか?
回転するプロジェクタと検出器による三角測量を用いた「光学式ドラム雲高計」と、レーザーパルスの往復時間を利用する「レーザー雲高計」があります。
雲高計の測定にはどのような限界がありますか?
空気分子による光の拡散のため有効高度はおおむね4000メートルまでであり、ちりや氷霧などの微粒子に反応して誤った値を示すことがあります。

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参考文献

気象観測機器および大気測定に関する一般的な技術資料および原典に基づく。