雲粒とは:大きさ、浮遊条件、そして雲核の仕組み

📌 主なポイント
- ✓雲粒の直径はおおむね3μmから10μm程度であり、赤血球とほぼ同じ大きさである。
- ✓直径10μmの雲粒の落下速度は最大でも1cm/s程度であり、一般的な上昇気流によって空中に支えられる。
- ✓雲核(雲凝結核)が存在しない場合、大気は相対湿度が100%を超えても数百%に達するまで凝結が起きない。
- ✓雲核となるエアロゾルには、土壌の砂埃、火山灰、海塩粒子、硫酸塩粒子などが含まれる。
雲粒(うんりゅう)とは、地球上の雲を構成している微小な水滴や氷結晶(氷晶)のことである。なお、文脈によっては氷晶を含めない場合もあり、その際は氷晶と雲粒を総称して雲粒子と呼ぶ。
雲粒の大きさと浮遊する条件
雲粒の直径はおおむね3μm(マイクロメートル)から10μm(0.003mm~0.01mm)程度であり、ヒトの赤血球の直径とほぼ同等である。直径10μmの雲粒が落下する際の終端速度は、最も速い場合でも1秒あたり約1cm(1cm/s)程度にすぎない。
雲粒が空中に浮かんでいられるのは、空気の浮力や上向きの風(上昇気流)がその落下速度を上回るためである。一般的に大気中の平均的な上昇気流は1m/s以上の速度を持つため、地球大気の至る所にあるこうした上昇流によって、雲粒は十分に支えられて空中に浮遊することができる。
一方で、雲の中には雲粒よりも大きな水滴や氷結晶も存在する。雨粒の大きさは0.1mmから5mm程度であり、この規模の水滴の落下速度は30cm/sから10m/sと非常に速い。そのため、上昇気流の強弱に応じて雲の中を浮遊したり落下したりし、やがて地上に到達すると雨や雪として観測されることになる。

雲核の種類と核形成プロセス
大気中の水蒸気が水滴に凝結したり、氷の粒へ相変化を起こしたりする際には、その足場となる微粒子が存在する。これを雲核(うんかく)または雲凝結核(英: cloud condensation nuclei, CCN)と呼ぶ。微粒子の表面で凝結や昇華が始まるこのプロセスを、雲粒の核形成と称する。
もし大気中に不純物となる微粒子がほとんど存在しない場合、相対湿度が100%を超過して数百%に達するまで凝結は起こらない。そのため、自然界で雲が形成されるためには雲核の存在が不可欠である。
雲核の主な由来
大気中に浮遊し、雲核となる微粒子は総称してエアロゾル(エーロゾル)と呼ばれる。これらは大気循環によって攪拌されて地球上に広く分布しているが、その濃度は場所や高度によって異なり、一般に地上に近い大気ほど濃度が高くなる傾向にある。
土壌由来の微粒子:砂埃や黄砂など。
火山由来の微粒子:火山噴火による火山灰や、火山ガスに由来する硫酸塩粒子。
海塩粒子:細かい海水のしぶきが蒸発した後に残る塩分。
人為起源の微粒子:排気ガスなどに由来する物質。
また、海洋のプランクトンが放出するジメチルスルフィドも雲粒になりうるとされており、赤潮などの異常発生時には雲が形成されやすくなるとの研究が存在する。さらに、宇宙線に含まれる荷電粒子が大気をイオン化させ、それが微粒子形成のきっかけになるという説(スベンスマルク効果)も提唱されている。
相転移に対応する分類
雲核は、水の相変化の各相に対応させて以下の3種類に大別され、さらに細分化すると5種類に分けられる。
凝結核(凝縮核):水蒸気から水滴へ凝結するときに働く。
凍結核(凝固核):水から氷へ凍結するときに働く。水滴内で単に凍結を促すもののほか、凝結核としても働く「凝結凍結核」や、外部からの衝突衝撃で凍結させる「衝突凍結核」がある。
昇華核:水蒸気から直接氷へ昇華するときに働く。
なお、凍結核と昇華核を総称して氷晶核と呼ぶ。
よくある質問
雲粒の大きさはどのくらいですか?
雲粒が地上に落ちてこないのはなぜですか?
雲核とは何ですか?
雲核にはどのようなものがありますか?
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参考文献
- 荒木健太郎 『雲の中では何が起こっているのか』第2版、ベレ出版、2014年
- 『デジタル大辞泉』、「雲粒」
- 『百科事典マイペディア』、「雲粒」
- 『世界大百科事典』、「雲粒」