地理・地質学

有珠山:北海道の活火山と噴火の歴史

有珠山:北海道の活火山と噴火の歴史
北海道洞爺湖の南に位置する活火山「有珠山」について、その形成過程、歴史的な噴火活動、および周辺地域への影響を解説します。

📌 主なポイント

  • 有珠山は標高733mの活火山で、洞爺湖の南側に位置する。
  • 20世紀の100年間で4度の噴火活動が記録されている。
  • 1944年から1945年にかけての噴火により、昭和新山が形成された。
  • 周辺地域は洞爺湖有珠山ジオパークとして世界ジオパークに認定されている。

有珠山(うすざん)は、北海道の洞爺湖南岸に位置する標高733mの活火山です。山頂部は有珠郡壮瞥町に属し、山体は壮瞥町、洞爺湖町、伊達市にまたがっています。支笏洞爺国立公園の一部であり、周辺地域は「洞爺湖有珠山ジオパーク」として世界ジオパークに認定されています。

地質と形成

有珠山は、約1万5千年から2万年前に形成された二重式の火山です。直径約1.8kmの外輪山を持つ本体火山のほか、小有珠、大有珠、昭和新山などの溶岩ドームや、西山、金比羅山といった潜在ドーム群によって構成されています。約8千年前の山体崩壊により、南側に馬蹄形のカルデラが形成されました。

噴火の歴史

有珠山は、20世紀の100年間で4度の噴火を記録するなど、世界的に見ても非常に活動的な火山です。1663年(寛文3年)の噴火以降、周期的に活発な活動を繰り返しており、噴火前には地殻変動や群発地震を伴うのが特徴です。

主な噴火活動

  • 寛文噴火(1663年):文献記録に残る中で最大規模の噴火。プリニー式噴火により膨大な量の軽石や火山灰が噴出しました。
  • 文政噴火(1822年):人的被害が最も大きかった噴火で、火砕流により78名が犠牲となりました。
  • 明治噴火(1910年):北西麓で水蒸気爆発が発生し、新たな山である「四十三山(明治新山)」が形成されました。この噴火は洞爺湖温泉の起源となりました。
  • 昭和新山形成(1944年-1945年):太平洋戦争中に発生した噴火で、地盤の隆起により標高400mを超える溶岩ドーム「昭和新山」が誕生しました。
  • 1977年-1978年噴火:前兆地震から32時間後に噴火が開始。火口周辺の地形が大きく変化し、ラハール(泥流)による被害も発生しました。
  • 2000年噴火:西山火口群周辺で大規模な地殻変動と噴火が発生し、周辺住民の避難が行われました。

よくある質問

有珠山の名前の由来は何ですか?
アイヌ語の「ウㇲ(入江)」に由来します。現在の伊達市有珠町付近の入江を指す言葉が、その背後にあった山にも適用されました。
昭和新山はどのようにしてできたのですか?
1944年から1945年にかけての噴火活動に伴う地盤の隆起と、その後の溶岩ドームの成長によって形成されました。
有珠山は現在も噴火の危険がありますか?
有珠山は活火山ランクAに指定されており、気象庁によって常時観測が行われています。

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参考文献

  • 気象庁「有珠山」
  • 内閣府防災「2000年(平成12年)有珠山噴火災害」
  • 北海道胆振総合振興局「平成12年(2000年)有珠山噴火の記録」