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速度:物理学における定義と概念

速度:物理学における定義と概念

物理学において速度(英: velocity)は、単位時間当たりの物体の位置の変化量、すなわち位置の時間微分として定義される物理量です。速度は大きさと方向の両方を持つベクトル量であり、運動の記述において中心的な役割を果たします。

国際単位系(SI)における速度の単位はメートル毎秒(m/s)です。国際的な定義では「速さ(speed)」と「速度(velocity)」は関連する組立量として扱われますが、日本の計量法では「速さ」のみが物象の状態の量として規定されています。

速度と速さの区別

日常会話では「速度」と「速さ」は混同されがちですが、物理学では明確に区別されます。速さは速度の大きさ(絶対値)を表すスカラー量であり、方向の情報を含みません。一方で速度は、移動の方向を含めたベクトル量です。

\"運動の第2法則を示す数式\"
運動の第2法則における速度の概念

平均速度と瞬間速度

物体の運動を記述する際、時間区分に応じた速度の定義が用いられます。

平均速度

ある時間間隔における位置の変化量(変位)を、その経過時間で割ったものを平均速度と呼びます。時刻 t1 から t2 までの位置の変化を位置ベクトル x1, x2 で表すと、平均速度は以下の式で求められます。

\"平均速度の算出式\"
平均速度の算出式

瞬間速度

時間間隔を限りなくゼロに近づけた極限における速度を瞬間速度と呼びます。これは位置ベクトルを時間 t で微分したものであり、特定の時刻における物体の運動状態を正確に示します。

\"瞬間速度の定義式\"
瞬間速度の定義式(時間微分)

関連する概念

速度の概念は、回転運動における角速度や、特定の現象の変化率を示す反応速度など、物理学の幅広い分野で応用されています。また、運動の初期状態における速度を「初速度」、抵抗によって一定となった速度を「終端速度」と呼びます。

参考文献

  1. 物体の位置の、各時間の点での変化の割合
  2. 国際単位系(SI)第9版(2019)、p.108 表5
  3. The International System of Units p.139、Table 5.、Derived quantityとして、「speed, velocity」とある。
  4. 計量法 第2条第1項第1号
  5. 計量単位令 別表第1、項番14。
  6. Wilson, Edwin Bidwell (1901). Vector analysis: a text-book for the use of students of mathematics and physics, founded upon the lectures of J. Willard Gibbs. pp. 125
  7. 英: instant velocity
  8. 松岡隆, 佐伯昭彦, 秋田美代「小学校教員養成における教科専門科目「算数」の教材例 (数学教師に必要な数学能力とその育成法に関する研究)」『数理解析研究所講究録』第1867巻、京都大学数理解析研究所、2013年12月、89-97頁、CRID 1050564285761501056、hdl:2433/195410、ISSN 1880-2818。「p.91(円グラフ様の図がある。」