コンピュータグラフィックス

仮想地球システムと地理空間ソフトウェアの発展

仮想地球システムと地理空間ソフトウェアの発展
地球の3次元コンピュータグラフィックスモデルである仮想地球の歴史、ソフトウェアの種類、機能、および関連技術について解説する百科事典記事。

📌 主なポイント

  • 仮想地球は地球の3次元コンピュータグラフィックスモデルである。
  • 1978年にMITで発表されたアスペン・ムービー・マップが物理環境再現の先駆けとなった。
  • バックミンスター・フラーは1962年にジオスコープの構想を発表した。

仮想地球(かそうちきゅう)とは、地球の3次元コンピュータグラフィックスソフトウェアモデルである。地表面上の移動や多様な視座からの表示機能を備えており、道路や建築物などの人工物から、人口統計グラフなどの抽象概念の描画まで幅広く含まれる。

歴史的背景と概念の先駆け

コンピュータを使用して離れた場所の物理的な環境を再現するという概念の先駆けとして、1978年にマサチューセッツ工科大学(MIT)で発表されたアスペン・ムービー・マップというハイパーメディアシステムがある。ただし、その再現範囲はコロラド州アスペンに限られていた。

また、仮想地球の多くの機能は、バックミンスター・フラーによって着想され、1962年にコンピュータを用いて様々なデータベースに接続する巨大な地球儀「ジオスコープ」としてまとめられた。これは、世界の各地域における経済、地質、天然資源の活用などに関する特徴を表示する教育ツールとして想定されていた。

さらに、ニール・スティーヴンスンのSF小説『スノウ・クラッシュ』に登場するメタバースにおいて、Central Intelligence Corporationが自社開発の「Earth」と呼ばれるソフトウェアをユーザーインターフェースとして利用し、地図、建物の見取り図、気象データ、衛星による常時監視データなどの地理空間データを追跡する描写を通じて、仮想地球の概念が広く知られるようになった。

ソフトウェアの種類と特徴

仮想地球のソフトウェアは、主に学術研究やGPSデバイスと接続した航法誘導などに用いられており、そのデザインは用途によって異なる。正確な描写を重視するプログラムでは、多くの場合衛星画像サーバーを使用し、回転や拡大、地平線傾斜機能を利用することができる。

空中写真の視座では画像が不鮮明になることが多いため、人工物を強調するために画像を簡略化し重ね合わせる機能が含まれる場合がある。一方で、単純化した地図表現を重視したプログラムは、描画処理が少なく高速で表示できることから広く普及してきた。

オープンソースのNASA World Windの画面
オープンソースのNASA World Wind

主なソフトウェア例

  • ArcGIS: 多くの地理情報システムファイルフォーマットに対応している。
  • Bing Maps: 3次元描画機能を持つ。
  • NASA World Wind: 衛星画像や航空写真、アメリカ地質調査所の地形図が利用できるオープンソースソフトウェア。
  • Google Earth: 衛星画像や航空写真(商用画像を含む)、世界の路線図などが利用できる。

よくある質問

仮想地球とは何ですか?
地球の3次元コンピュータグラフィックスソフトウェアモデルであり、地表面上の移動や多様な視座からの表示機能を持つシステムです。
仮想地球の概念に影響を与えた初期のシステムは何ですか?
1978年にMITで発表されたアスペン・ムービー・マップや、バックミンスター・フラーによる1962年のジオスコープの構想が挙げられます。

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参考文献

  • Buckminster Fuller Institute. "R. Buckminster Fuller's Geoscope". Buckminster Fuller Institute.