言語学
日本語における和製英語の構造と展開
日本国内で独自に作られ、定着した和製英語の定義、英語圏との意味の乖離、および具体的な事例について解説します。
📌 主なポイント
- ✓和製英語は、日本国内で日本人により作られた、英語の言葉やそれに似た言葉の総称である。
- ✓英語圏の表現とは意味が異なったり、英語圏では通用しない表現が含まれている。
- ✓構造的な分類として、新規の造語、既存語の省略、および意味の独自の変化などがある。
和製英語(わせいえいご)とは、日本語の語彙体系の中で使われる外来語の一種であり、日本国内において日本人によって独自に造られた、あるいは英語の形態や類似音を元に独自の意味を持たせた言葉の総称である。主に固有名詞や商品名などは除外され、普通名称として日常会話や各専門分野で使用されることが多い。
定義と分類
和製英語の定義や外延は論者や文献によって多様であるが、一般的には以下のような形態や由来に分類される。
- 独自の造語:英語の語根や単語の要素を組み合わせながらも、英語圏では異なる表現を用いるもの(例:「フォアボール」に対するbase on ballsなど)。
- 語形の省略:既存の英語の複合語などを短縮して形成したもの(例:「ワープロ」や「パソコン」など)。
- 意味の乖離:形や音は英語の単語とほぼ同一でありながら、日本国内で独自に意味が変化あるいは限定されたもの(例:「デッドヒート」など)。
英語表現との乖離および社会的影響
和製英語は、英語を母語とする話者にとっては意味が通じなかったり、全く異なる解釈をされたりする場合がある。そのため「外国語の誤用」として否定的に捉えられる側面もあるが、言語学的には日本語の語彙として定着した独自の表現として扱われる。
日本語の文脈において定着した表現を原語の形や意味に回帰させようとする動きが生じた際、既存の言葉との間で混乱が生じることもある。また、日本特有の社会制度や生活文化を背景に持つ表現については、英語圏に対応する概念や単語が存在しない場合も少なくない。
主な事例
文献等において和製英語として指摘されている事例には、以下のようなものが挙げられるが、辞書や研究によってその判断や定義は異なる場合がある。
- アウトコース(英語対応表現:outside)
- アドバルーン(英語対応表現:advertising balloon)
- ガードマン(英語対応表現:security guard)
- サラリーマン(英語対応表現:white-collar worker)
- ジェットコースター(英語対応表現:roller coaster)
よくある質問
和製英語とは何ですか?
日本国内において、英語をベースにしつつも日本で独自に作られたり、意味が変化したりした言葉のことです。
和製英語は英語圏でも通じますか?
多くの和製英語は英語圏の日常会話では通じないか、全く異なる意味として解釈される場合があります。
関連記事
外来語カタカナ日本語の語彙社会言語学
参考文献
広辞苑第6版、石野博史「外来語」『講座日本語と日本語教育第6巻 日本語の語彙・意味(上)』明治書院、1989年、小島義郎・竹林滋・中尾啓介(編)『カレッジライトハウス和英辞典』研究社、1995年。